第19章 いざ!出陣! 【19】
特に呼んだ訳でもないのに自然と皆が広間に集まっていた。そして私は髭切さんに抱っこされたまま、隣に座っている膝丸さんを見た
膝丸「何だ?」
『ふふふっ。やっとこの時が来たんだよ』
膝丸「だから何だ!?」
『兄者が来たらおとなしく頭なでなでの刑を受けるって言ったじゃん?』
髭切「そうなの?」
うん!と返事をしようとすると、髭切さんが後から私の顔を覗き込んで来る気配を感じ、そっちを向くと、鼻先が触れそうなほど近くに髭切さんの顔があり驚き仰け反った
『ぉわっ!ぉぉ…ビックリした~』
髭切「う~ん。残念、口付け出来ると思ったのにな」
『やめろー!膝丸さぁ~ん』
膝丸さんに手を伸ばすとその手を掴み引寄せてくれた
髭切「どうして僕から主を奪うの?」
膝丸「兄者、主はまだ子供だ兄者の相手なんか務まらないだろう?」
『なんだとっ!?』
髭切「うん、そうだね」
『ぅぐっ!くっそ~お宝兄弟め!』
髭切「それなら僕が主を大人にしてあげるよ?」
『やめろー!………はっ!』
すると、近くで宗三さんが溜息をついていた
『ごめんなさい…』
私は皆から離れながらも、かまってオーラを全力で出しながら広間の隅っこに行き丸くなっていじけた
一方彼等は私が目の届く所にいるから、広間の隅っこでいじけていてもさほど気にならないのだった
『ぅぅ~師匠道連れにすれば良かった…』
遠くに皆の楽しく話す声を聞いていると、心地よくなってきてウトウトし始めた
すると、フワリと白い布がかけられた、振り返ると
『広君?どうしたの?』
山姥切「眠そうだな。それかけて少し休め」
『でも、これ広君の布だよ?』
山姥切「俺にはヒヨコがある」
私が貸したヒヨコポンチョのフードを深くかぶっていた広君はフードを少し持上げるとチラリと顔を見せてくれた
『ちょっと、広君?今の反則!』
山姥切「何の事だ」
『チラ見せとか卑怯だぞ!』
山姥切「何の事だ?それより昼寝に付き合ってくれるんだろう?」
『はっ!そうだった』
私はゴロンと横になると広君が頭を撫でてくれた
その心地よさにお昼タイムに突入した
長谷部「山姥切、お前も子供寝かしつけるの上手いな」
山姥切「添い寝してもらう予定が…」