第19章 いざ!出陣! 【19】
それからは私は広間にいた大人組に散々に叱られ呆れられ…ズタボロに打ちのめされ広間の隅っこで膝を抱えていじけていた
大般若「言い過ぎたかな?」
鶯丸「これくらいが丁度良いだろう」
『ぅぅ…誰か助けて…乱ちゃん…どこ行ったの?私が見つかるようにイタズラして逃げたの?乱ちゃん…ひどいよ…可愛いから許すけど…』
南泉「何をブツブツ言ってんだ?」
そう言いながら近付いて来た南泉君は私の手を掴むと、私を引きずりなが皆の所へ戻って行く
『にゃん泉君やめてくれぇ~私は隅っこに居たいんだぁ~』
南泉「俺は南泉だ!」
そんな南泉君は知ってか知らずか…よりにもよって宗三さんの隣に座るなんて…
チラリと宗三さんを見ると横目で見下ろされていた
『ぅぅ…宗三さん…騒がないから怒らないでね…』
すると宗三さんは、はぁ~と溜息をついた
私はちょっと悲しくなり宗三さんに背を向けるとまた膝を抱えて顔をうめた
宗三「怒りませんが、やっぱりおとなしい貴女は少々不気味ですよ?」
宗三さんは私を後から抱上げると膝の上に座らせた
『宗三…さん?』
振り返り見上げると優しく笑う宗三さんの顔があった
宗三「何ですか?おとなしくてしおらしい貴女も可愛らしいですが、元気に走り回る貴女の方が僕は好きですよ?」
『ぅぁ…宗三さぁ~ん…慰めてくれてるの?』
宗三「ただの気紛れですよ。今日はおとなしくしててもらいますが、明日からはいつもの貴女に戻って下さいね?』
『うん』
するとフワリと優しく抱き締められた
燭台切「主は居るかな?」
四人衆が何やら手に持って広間に入って来た
宗三さんの陰から顔を出すと
堀川「主さん!かりんとう饅頭皆で食べない?」
堀川君はかりんとう饅頭が入った箱を掲げて見せた
篭手切「お茶も淹れてあげますね?」
『うん、食べる。お茶もありがとう』
歌仙「主?どうしたんだい?跳び跳ねて喜ぶと思ったんだけど」
宗三「重いのでそろそろおりてください?」
『なんだと!?』
宗三「はぁ~」
『あっ、ごめんなさい』
宗三さんの膝から立上がると何やらボソッと呟いた
宗三「貴女を一度抱き締めてみたかったのですよ。本当に暖かいのですね」
『ん?何か言った?』
宗三「なにも」