第19章 いざ!出陣! 【19】
皆が朝食を取りに広間をゾロゾロと出て行った
それを見届けると広間の隅に置いてあったリュックを前に担ぎ皆の席にひとつずつミカンを置いていくと1個足りなかった
『あ~あ、1個足りないし…まぁいっか!私、昨日食べたし!』
そしてまたリュックを広間の隅に置くと朝食を取りに台所へ向かった
途中朝食を持った皆とすれ違う
何やってたんだ?早くこいよー!等言われはーい!と返事を返し、自分の朝食を持つと天才料理人四人衆となった彼らと広間へ戻った
加州「主ー!」
『はいぃぃぃぃ!』
大和守「ん?主どうしたの?」
『えっ!?あ!うん!今日もすこぶる元気だよ!で?清光どうしたの?』
加州「主なんか変」
『えっ!?いつも通りでしょ!?変なのもいつもの事でしょ?』
加州「そっか!そうだね、ミカンありがとう!」
『おぅ…食後のデザートに食べてね?』
それから私はそそくさと粟田口短刀大将組の間に割り込んだ
後藤「大将…」
『うん…』
信濃「また怒られると思って逃げて来たんでしょ?」
『はい、そうです』
厚「ははっ!大将諦めろ」
『い~や~だぁ~………よしっ!さっさと食べてここから逃げよう!合掌!頂きますっ!』
皆「頂きます!」
私はガツガツとご飯を掻き込んだ
薬研「大将、もう少しユックリ食べろ」
『んごっ!んごんごんごん!』
信濃「大将…何言ってるかわからないから飲み込んでから喋って?」
『ん゛っ!ん゛ー!』
私は喉を詰まらせた
慌てて胸を叩く
信濃「大将!何やってるの!?早くお茶飲んで!」
信濃君から手渡されたお茶を一気に飲み干した
『はぁ~ふぅ~…死ぬかと思った…』
信濃・後藤・厚・薬研「大将!!!!」
『はいぃぃぃぃ!』
厚「ユックリ食べろって言われただろ?」
後藤「何やってんだよ、全く」
後藤君は背中を擦ってくれた
信濃「また俺達に怒られて…」
『ぅあぃ、ごめんなさい』
薬研「大将とりあえず飯食え、良く噛んでな。それと、今日はおとなしくしてた方が良いかもな」
『はい、そうします』
それから私は朝食をよーく噛んで食べた
獅子王「主!このミカンどうやって採ったんだ?」
『っ!!!』