第19章 いざ!出陣! 【19】
広君は足を止め振り返り、また私を見上げた
山姥切「………………………」
『広君のイジワル』
山姥切「あんたが、くだらない意地を張るからだろう?」
『ごめんなさいぃ~正直に言うから!ミカン狩りしてました!』
山姥切「最初から、そう言えば良いものを」
『むぅ。』
山姥切「今、助ける」
『ありがとう!その前に私より大切な物、落とすから受け取って!絶対落とさないでねー!行くよー!ポーイ🎵』
山姥切「おい!まて!」
私は広君めがけてミカンかパンパンに入ったリュックを投げた
広君は自分に向かって落下してくるリュックを受け止めた
『広君!ナイスキャッチ!』
山姥切「あんたは、自分よりミカンか…」
『落とすと傷むからね?それで…その…広君……』
山姥切「今、行く、じっとしてろ」
そして広君はタンッタンッと枝を飛び私の元へ来ると、近くの枝を掴んだまま、反対の手で私を抱き寄せた
山姥切「大丈夫か?」
『広君!!』
私は彼の首に抱き付くと広君は私の背中をポンポンしてくれた
山姥切「そのまましっかり掴まってろ。降りるぞ」
私を抱き上げそのまま一気に下まで飛び降りた
『っ!!』
広君は私を抱えたまま地面に着地すると優しくおろしてくれた
そのまま地面にペタリと座り込み広君を見上げる
『はぁ~広君ありがとう。助かりました。布被ってないね?洗濯中?』
山姥切「あぁ、干して乾くの待ってたらニャーニャー猫が鳴く声が聞こえて来てみたら、あんたがいた」
『猫…』
すると広君はリュックを片方の肩に担ぎ私を抱き上げた
『わわわっ!広君!?』
山姥切「部屋まで送る」
『えっ!?大丈夫だよ!?』
山姥切「腰抜かして立てないのにか?」
『おぅ…バレてた?』
山姥切「見てればわかる」
『広君良いやつー!ポンチョ貸そうか?』
広君の首に抱き付いた
山姥切「イジワルーみたいに言うな。ポンチョはいらない、誰もいないからな」
『え~私は?』
山姥切「あんたなら見られても良い」
『ぅえーい!何か広君と秘密の約束事してるみたい🎵』
山姥切「それなら他の奴等には言えないもっと秘密の事するか?」
『なっ!やめろー!』