第19章 いざ!出陣! 【19】
私は広君に抱き抱えられたまま部屋へ向かっていた
『ごめんね?ありがとね?』
山姥切「何がだ?」
『腰抜かして運んで貰うとか…情けないです…』
山姥切「後先考えずに行動するからだ」
『はい…ごめんなさい』
山姥切「でも、あんたはそのままでいい」
『何で!?急に何で!?』
山姥切「そうだな、分かりやすく説明するなら…部屋に着いたらお礼にあんたを頂くか」
『やめろー!何でそうなる!?』
山姥切「それでいい」
『はい?広君?意味わかんないよ?』
山姥切「ここには男しかいないからな」
『おぅ…何か分かった気がする…』
山姥切「あいつらは冗談で言ってるように聞こえるが、半分は本気だ」
『おぅ…じゃあ今の広君のも半分は本気?』
山姥切「どうだろうな」
『あー!広君ズルーイ!自分は隠すんだ?』
山姥切「あんたがブレなければ大丈夫だろ」
『なっ!今度は私の責任にしたね?やめろー!の練習するか!やめろー🎵やめろー🎵やめろー🎵ウハッ🎶』
山姥切「ウハッ🎶ってなんだ?」
『自分で言ってて可笑しくなってきたププッ🎶』
私は楽しくなってきて足をぶんぶん振っていた
すると私達の後に人影が
長谷部「山姥切!貴様主に何をしている!」
山姥切「?」
『え?』
広君は私を抱えたまま振り返るとそこには長谷部さんが立っていた
『長谷部さん?どうしたの?』
長谷部「主!」
長谷部さんは一瞬で私達の前に来ると、広君から私を取り上げた
『ぅわあ!』
長谷部「主!大丈夫ですか!?山姥切!主に何をしようとした!」
山姥切「俺は部屋に運んでいただけだ」
長谷部「嘘をつくな!主がやめろー!と暴れていただろう!」
なるほど…私の発声練習と足をぶんぶん振っていたのが私の緊急事態に見えたのか…
『長谷部さん?あのね?』
長谷部「主!無事で良かった…山姥切には指一本触れさせませんから安心して下さい!」
長谷部さんは私をギュッと抱き締めた
『長谷部さん!苦しい!私の話聞いて!?』
長谷部「ぁあ!主!すみません!」
長谷部さんは腕を緩めると私を床におろしてくれた
それを見ていた広君が私に手を差し出す
山姥切「大丈夫か?」