第18章 いざ!出陣! 【18】
翌朝、私はまだ浦島君とスヤスヤと眠っていた
すると、誰かが襖をトントンと叩いた
山姥切「ポンチョ返しに来た、入るぞ?」
広君は襖を開け部屋へ入ると
山姥切「ん?主にしては布団の盛り上がりがデカイな?」
広君は枕元へ歩み寄ると頭が二つある事に気付いた
山姥切「主!」
広君は布団をバッとはがすと、くっついて寝ている私と浦島君が出てきた
山姥切「なっ!?浦島!?」
私は広君の声で目が覚めた。
う~んと布団の上で伸びをするとムクリと起き上がった
『ふぁ~…ん?広君おはよう』
山姥切「おはよう…じゃなくてだな、何でここに浦島がいるんだ?」
『昨日の夜、門の所で倒れてたの。だから手入れして連れてきた』
山姥切「っ!?あんたは何をやってるんだ!」
すると広君は私を抱き締め被っていた布で私を隠した
『わわわっ!広君!?何でそんなに怒るの?』
山姥切「もし斬られていたらどうするつもりだったんだ!?なぜ誰も呼ばなかった!?…はぁ~」
『あっ、ごめんなさい…』
そんな怒鳴り声に浦島君が目を覚ました
浦島「う~ん?なんだぁ?あ~山姥切?」
山姥切「浦島、お前、主に変な事してないだろうな?」
浦島「何もしてないよ~あれ?主さんどこ行った?」
私は広君の布から顔を出すと
『浦島君!おはよう!』
浦島「ぅわあ!主さん…びっくりするだろ~何でそんな所にいるんだよ」
『うん、あのね?夜は一人で出歩くなって、誰かを呼びなさいって怒られてました…はい』
浦島「う~ん…そうだな!昨日は主さんって知らなかったら斬ってたかもしれないし!亀吉のおかげだ!」
『ぅえ~コワっ!』
山姥切「ほらみろ、次、何かあったら必ず誰かを呼んでくれ、いいな?」
『はぁい、じゃあさ?もし何かあった時、夜中でも起こしに行っても良い?』
山姥切「あぁ、叩き起こせ」
『うん!わかった!よしっ!広間行こう!朝御飯!それと、広君、浦島君の事皆にはまだ内緒だよ?驚かせてやるんだ!』
山姥切「あぁ、わかった」
『ぅえ~い!広君も共犯者だからね?』
私は広君の布から這い出ると布団を片付け、三人で広間へ向かった