第18章 いざ!出陣! 【18】
あれから私は皆と別れ洗濯場からハンガーを数本拝借すると、部屋へ戻り洗濯物を干した
干し終った洗濯物をぐるりと見渡し部屋の真ん中で大の字になって寝転がった
『……………ぅ~静だ…コワイ……誰か来てくれないかな?………』
私は恐くなりガバッと起き上がると籠を持っていつもの部屋へと戻った
『どうしよう…籠…返しに行くのコワイ……うん、明日か、明るくなったら返しに行こう。返さないと歌仙さんに怒られそう…【主?使った物も片付けられないのかい?】……うん、言いそう!ふふっ🎶』
すると廊下に面した襖をカリカリと何かが引っ掻く音がした
『ん?五虎退君の虎さんかな?はーい、今、開けるから待ってね?』
襖に駆け寄り開けてあげると、足元にいたのは
『………えっ!?亀!?何でこんな所に…池から来たのかな?亀さん、部屋入る?どうぞ?』
すると亀さんは部屋には入らず向きを変えどこかへと向かい歩き出した
『あれ?亀さん?どこ行くの?』
亀さんは立ち止まり首を長く伸ばし振り返ると口をパクパクさせまた歩き出した
『………う~ん…ついてこいって事かな?』
私はゆっくりと歩く亀さんの後をついて行った
『亀さん、どこ行くの?行き先遠いなら抱っこしてあげるから道案内してくれる?』
すると亀さんは私の足元に戻って来るとよじ登ろうとした
『ぉお!亀さん私の言ってる事わかるの!?』
亀さんを拾い上げ顔の高さに持ってくると亀さんはクワッと口を開いた
『了解!…ホントは何て言ってるかわかんないけど道案内よろしくね?』
亀さんを見ていると頭が外の方へ向いた
『えっ!?外なの!?』
亀さんの頭の方向へ進んで行くとどうやら門の方へ向かっているようだった
『ん?亀さん門に向かってる?私、門開けられないよ?』
それでも門の方へ向いている亀さん次第にバタバタと騒ぎ出した
『えっ!?えっ!?何かあるの!?ちょっと急ごうか?』
そうして私は急ぎ足で門へ向かうと、門の方からなにやら呻き声が聞こえてきた
?「うっ!………うぅ………」
『っ!?なに!?今の声!?』
?「亀…吉……どこ…行ったんだ……よぉ…」
亀さんにも声が聞こえたのか、更に騒ぎ出した