第17章 いざ!出陣! 【17】
それまで、薬研と三日月は私の額に乗せた手拭を替えてくれたり汗を拭き取ってくれたりと、ずっと世話をしてくれていたが、日が傾き始めた頃
薬研「しかし大将、よく寝るな…」
三日月「そろそろ主を起こすか?」
薬研「そうだな、呼吸も落ち着いたし、媚薬ぬけたみたいだな」
小狐丸「ぬしさま?」
薬研「小狐丸、また、来たんだな、そんなに大将が心配か?もう落ち着いたぞ」
すると小狐丸の後から長谷部と一期が一緒に入ってきた
三人は私を囲む様に座ると
一期「主殿は凄いですね、かなりキツかったはずです。それを発散させずに自然と抜けるまで堪えきるとは…」
三日月「俺達にはわからない辛さだろうな」
長谷部「主…」
『う………ん……ん?』
目覚めた私はムクリと起き上がると寝すぎて頭がボーッとしていた
薬研「大将?起きたか?しっかりしろ、もう夕方だぞ?」
『んん~~~?薬研…君?』
私はイモムシ(タオルケット)から抜け出すと、ハイハイをして薬研君に近付き彼の首にキュッと抱き付いた
薬研「おっと!大将どうした?」
『へへぇ~…ん~』
薬研「………はぁ~まだ寝ぼけてんのか」
薬研君は私を抱き締め返すと背中をポンポンとしてくれた
一期「薬研が羨ましいですな」
薬研「大将?ほら、起きろ!」
すると薬研君は少し強く私の背中をパチンと叩いた
『んキャー!いたい!』
長谷部「薬研!主になんて事を!」
薬研「他に方法が見付からなかった」
私はすっかり目が覚めて背中を擦りながら周りを見ると
『あっ!皆おはよう!』
小狐丸「ぬしさま?もう夕方です」
『えっ?……えーーー!うそぉ!?』
外を見ると空がオレンジ色に染まり始めていた
『うぅ…ごめんなさい…』
三日月「何も謝る事はない、それより身体の方はどうだ?辛くないか?」
『あっ!うん!大丈夫だよ!』
私は立ちあがり、うーん、と伸びをすると
三日月「ぉお!主よ、もっとその裾を上げてくれんか?」
『ん?ぅわあー!』
私は下着も着けずに薬研君の白衣を着たままだった事に気付きタオルケットを被り丸くなった
薬研「イモムシの次ぎはダンゴ虫か?」