第15章 いざ!出陣! 【15】
三日月さんは私を優しく抱き締め背中をポンポンしてくれていた
三日月「主よ」
『ん?』
三日月「誰も掴まえられなかったな?」
『ちょっと~それ言わないでよ~凹んでるんだから~』
三日月「はっはっはっ!すまんすまん、ところで、他にも主を凹ませている何かがあるようだが?」
『ぅえ~……………………』
私が俯くと、小狐丸さんはムクリと起き上がり私の方へ向いて座った
小狐丸「ぬしさま?」
三日月「話してくれんか?」
『う~……………あのね?あの、皆の高い身体能力…戦っているうちに身に付いたものなんでしょ?』
三日月「そうだな」
小狐丸「そうですね」
『もぉ~サラッと返事しないでよ~皆は当たり前なのかもしれないけどさ、私にはイヤだったの!あっ。イヤって言うか、その…もっと別の方法で身に付いた身体能力だったら良かったのにって…胸の辺りがギュ~~~って苦しくなったって言うか…あ゛~~上手く説明出来ない~~』
小狐丸「ぬしさま?今日ほどこの身体能力が有難いと思った日はありません』
『何で!?』
小狐丸「ぬしさまに掴まらなかったからです」
『ちょっと!?そんな面と向かってイジワル言う!?』
小狐丸「イジワルではありませんよ?ぬしさまに掴まってしまっては皆、手入れされてしまいます。」
『あっ。そっか、そうゆう事か』
小狐丸「はい。ぬしさまが倒れないよう皆、逃げ切ったのですよ?」
『あっ。…うっ…ぅわあーん!皆、良いやつー!』
小狐丸「はははっ、イジワルーみたいに言わないで下さい」
そうして小狐丸さんは私の頬を撫でながら、親指で涙を拭ってくれた
『ふぇっ…うっ…』
三日月「主よ、そんなに啼きたいなら今夜俺の腕の中で可愛く啼くか?」
『なっ!やめろー!』
もちろん涙などピタリと止まった
小狐丸「ぬしさま?三日月がイヤなら私がお相手しますよ?」
『ひぃー!やめろー!』』
私は三日月さんから立ち上がると広間へ走って逃げた
小狐丸「はははっ、私達も広間へ戻りましょう」
三日月「はっはっはっ!そうだな」