第15章 いざ!出陣! 【15】
三日月「さてと、俺は主の様子でも見てくるかな」
小狐丸「それなら私も一緒に行きましょう」
長谷部「俺も行く!」
小狐丸「長谷部は皆が戻ったら、ぬしさまが来るまでここで待つよう伝えて下さい。私は三日月の気まぐれで何処かに行かないよう見張りのためついていきます」
長谷部「あぁ、わかった、頼む」
三日月「はっはっはっ」
そうして二人は広間から出て行った
大和守「ねぇ清光、主、広間から出ていく時、泣きそうな顔してたよね?」
加州「うん。だから三日月達が主の様子見に行ったんでしょ?俺も行きたいけど三日月達に任せるよ」
大和守「そうだね、主の事だからきっと走って戻って来るよ!?」
加州・大和守「うん!ポップコーンだから!あははっ!」
一方私は…台所へ駆け込むと、とりあえずうがいをした。赤く染まった水が排水口へ流れて行くのを見つめる。もう一度うがいをして、コップを洗い片付けると、シンクを背に座り込んだ
『(はぁ~ホント情けない…誰も掴まえられなかったな…時間かかっても、倒れても皆を手入れしたかったな…戦っているうちに身に付いた身体能力か…)っ!…うっ…ぅぅ…』
膝を抱えて顔を埋めると声を抑え泣いた
三日月「おや?主がいないな?」
小狐丸「探してみますか」
『(えっ!?三日月さんと小狐丸さん!?来ないで~!こんなの見られたくないよ~!)』
私はさらに膝を強く抱き顔を埋めて小さくなった
三日月「おぉ!いたいた」
二人は私に近寄ると片膝をついて座った
三日月「主よ、顔を上げてくれないか?」
私は小さく頭を振った
三日月「そうか、今日は天気が良いからな、日向ぼっこするか」
すると三日月さんは三角座りをしたままの私を持上げると台所からすぐ近くにある縁側にやって来た
そしてそのまま私は三日月さんの胡座の上に座った
横を見ると小狐丸さんがゴロリと横になり自分の腕を枕にしてふぁ~とアクビをしていた
私は少し顔を上げ三日月さんを見ると
『三日月さん、小狐丸さん、ありがとう』
三日月「なんだ?俺はなにもしてないぞ?」
小狐丸「私もなにもしていませんよ?」
私はふふっと笑うと三日月さんの膝の上で横向きに座り直し三日月さんの胸に頭を預けた