第15章 いざ!出陣! 【15】
私は皆に向かって正座をすると
『すっごく悔しいけど私の負けです!本当は嫌だけど、手入れ部屋で皆、ピッカピカになって来て下さい!お願いします!』
と頭を下げた
次郎太刀「はーい!あんたも頑張ったじゃないのさ?」
次郎ちゃんの声に頭をあげると
『そーかな?ありがとう。あっ。皆、手入れ終わったら、またここに戻って来てくれる?ちゃんと綺麗になったか確認したいからさ。それくらいはさせてくれるよね?』
獅子王「ああ!わかった、何かこんな姿、主に見られてるの恥ずかしくなってきたぜ!手入れ部屋行ってくる!」
では私も俺もと手入れされてない人達がゾロゾロと広間を出て行った
皆を見送ると最後に次郎ちゃんが立ち上がって私に近寄って来た
次郎太刀「あんた良い女だねゾクッとしちゃった」
次郎ちゃんは私を片腕で抱き寄せると頭にチュッとキスを落とし手をヒラヒラ振って広間を出て行った
『えっ!?何で!?何で!?………うん!考えてもわかんないからいいや!』
手入れ済組「(わかんないんだ…)(気付いてないんだな…)」
私は足を崩し前に伸ばすと足首をくるくると回し、手を後につき、天井を見上げる
『(はぁ~情けない…格好わるいな私…)』
すると鼻の奥がツーンとして涙が出そうになった
『(ヤバ!こんな事で泣いたら駄々こねてる子供と同じだ!)あっ。口のなか血の味するからうがいしてくるね?』
薬研「大将、俺っちも一緒に行こうか?」
『大丈夫だよ?すぐ戻るから、んじゃ、行って来まーす!』
私は涙が溢れて来ないうちに広間を飛び出した
三日月・小狐丸「…………………………」
一方手入れ部屋へ向かっている御一行は
獅子王「主のへへっって言った時の顔ヤバかったな…」
陸奥守「何かこう、胸がキュ~っとなったのぅ!」
鶯丸「あぁ、駆け寄って抱き締めたかったな」
巴形「滅茶苦茶にしてやりたいとも思ったな」
同田貫「それは主、お得意のやめろー!がでるぞ?」
巴形「ははは、そうだな」