第15章 いざ!出陣! 【15】
『はぁ~はぁ~…誰も掴まえられない…どうしよう(小夜ちゃんのお兄さんとか巴さんとか騒ぐイメージ無かったから簡単にイケると思ったのに…瞬間移動出来るし掴まらない…)皆、逃げ足はやっ!』
ふと、横を見ると鳴狐さんが私に背を向けて骨喰君と鯰尾君と話していた
足音をたてないようにソロソロと鳴狐さんの背後に近寄ると、えいっ!と抱き付いたつもりだったのだが
タンッ
鳴狐さんは高くジャンプすると体を弓の様にしならせ1回転すると私の後ろ少し離れた所に着地した
『ぉおー✨ちょっと!今の見た!?』
鯰尾「見ましたよ?」
骨喰「あれが何?」
『えー!…そうか、格好いいと思ったんだけど、骨喰君も鯰尾君もあれ、出来るんだね』
骨喰「うん」
鯰尾「はい!」
『やっぱり、でも、そうはさせるかー!えいっ!』
二人の腕を掴んだつもりだったが、やはり逃げられていた
二人は軽くジャンプで飛び退くとバク転しなから逃げて行く
『ぉおー!忍者だ!すごーい!すごーい!ここ忍の里だったんだ!』
太郎太刀「主、何を言っているんですか?」
『あっ。いや、だってね?忍者が現れたらもうすごーい!しか出ないよね!?って事で太郎さん大人しく手入れされなさーい!』
太郎さんに向かって突進していくと太郎さんは自身の大太刀をスゥっと抜いた
『ちょっと!太郎さん!?』
太郎太刀「我、一振りは暴風が如し!」
そして太刀さんが大太刀をブンッと振るとその言葉通り暴風が起きた
余りに強い風に目も開けていられず腕で顔を覆い踏ん張るが強風に耐えられず吹き飛ばされた
『ぅわあー!』
叫んだのが失敗だった。私はゴロゴロと転がりゴンッと頭をぶつけて止まったけれど、それと一緒に舌をガリッと噛んだ
『いだっ!舌、噛んだ!』
太郎太刀「おや?小夜でも耐えられるくらいの風にしたのですが主は足腰が弱いですね?」
『うそ!?』
小夜ちゃんを見ると髪は少し乱れていたが、何事もなかったかのように可愛く佇んでいた
『ホントだ…』
歌仙「はい!そこまで!時間です」
『えー!?』
歌仙「主、口のなか真っ赤ですよ?」
『あっ。うん!鉄の味がする!うがいしてくるね?皆、手入れ出来なくてごめんね?時間になっちゃった!へへっ』
皆「っ!」