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思えば…

第1章 思えば…


「大将ぉぉ!」
「鬼龍先輩ぃぃ!」
「あ? どうしたんだ、お前らそんなに慌てて」
「大将! うちの部って女子の先輩いるんすか!?」

武道場で次のSの衣装を作っていたら、鉄と嬢ちゃんが飛び込んできた。たしか嬢ちゃんの買出しに鉄が手伝いを申し出て行ったと聞いていたはずなんだが…
なんでか、水瀬のことを聞かれた。

「あぁ、いるぞ。普通科の3年でな、見た目はチビなんだが実力はあるぞ」
「そ、それって、髪が長くて、すごく可愛い人じゃないですか? あとカーディガン着てて、ニーハイの」
「あー…まぁ、たしかに幼馴染の引け目なしに可愛いとは思うが…」
「え、じゃあ、さっきの人マジで空手部の先輩なんすか?」
「そういうことになるよね…さっきも大柄の人伸してたし…」
「あと2人もいたっすけど、俺、戻らなくて良かったんすかね…」

俺に聞くだけ聞いて、鉄と嬢ちゃんは何やら話をしていて、中にはどうも穏便じゃない言葉も出てきているのが聞こえてきた。

「おい、お前ら」
「「……!?」」
「一から順に説明しろ」

2人から聞いた話によると道でぶつかった不良たちにいちゃもんを付けられたところに水瀬が仲介に入ったらしい。その話のさなかに相手が水瀬の胸に触ろうとして地面に伸ばされて、鉄たちを逃がしたあとに残りの奴らの相手をしていたらしいとのことだ。
水瀬が無理矢理その場から2人を逃がしたものだからちゃんとした部分は分からなかったが、水瀬は無事だ。念の為スマホのアプリに入れていた知り合いの位置検索できるものを入れてるんだが、妹は小学校、水瀬はバイト先にいることが確認出来ているからだ。まあ、これは滅多に使うことは早々ないんだが…
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