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思えば…

第1章 思えば…


少し暗くなってしまったけど、お昼休みを終えてからも授業を受けて、放課後になると私はさっさとバイトに向かった。
バイト先に向かう時、近道に路地裏を使う時があるんだけどたまに抗争とかが始まってる時がある。その時は道を引き返すんだけど…

「姐御! 俺の後ろにいてくださいっス!」
「へぇ? 僕が俺らの相手をしてくれんだ?」

目の前にはこのへんで有名な不良校の男子3人と夢ノ咲の生徒2人がいた。
なんでよりによってあんずちゃんと鉄くんがいるかな…私は空手部にめったに顔を出さないから同じ部の後輩の鉄くんとは面識がないし、2人のことは鬼龍くんからの話をよく聞いている。それに2人には私は焼きもち4割、感謝6割なところがあるものだから……

「すみません、うちの後輩が何か粗相をしましたか?」
「え?」
「あの、ちょっと!?」
「はぁ! なに? こいつらより年上なの? うけるー! で、ちびっ子先輩が後輩の尻拭いしてくれるの?」
「で、どんな事があったんですか? あんずちゃん、教えてくれる?」
「え、えっと、手芸屋さんに行こうとして近道してたら、私がその人とぶつかって…怪我したからって…」

なるほど、当たり屋か…

「お、先輩、いい胸持ってんじゃん? どれ、後輩の尻拭いに少し…ってぇぇ!?」
「おい!?」
「すみません、いきなりだったので身体が勝手に動いちゃいました」

私の胸に触ろうとした男子の手を思いっ切り捻って、背後に回って適当に地面に押し倒して伸させた。

「てめぇ…」
「だって、無実の後輩に罪を擦り付けようとしたんですから正当防衛です」
「そっちがその気なら容赦しねぇぞ…」
「あらあら…はい。鉄くんは今からあんずちゃんの手を握って」
「え!?」
「いいから握りなさい」
「は、はいっす!?」
「位置についてー、よーい、走りなさーい!」
「えぇぇぇぇ!?」

とりあえず、鉄くんとあんずちゃんの背中を思いっきり押して走らせた。

「戻ってきたら罰として私が今度空手部に顔を出した時に校舎周り100周だからねー!」

2人を見送ってる間に後ろから2人がかりで襲いかかってきたのを交わして、殴りかかってくる拳を受け流して鳩尾に拳を1発、脛に蹴りを入れて怯ませているうちにもう1人を避けて、上段からかかと落としをお見舞して、そんなことを繰り返している間に全員立ち上がる気力がなくなっていた。
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