第1章 Kissからはじめよう
【翔side】
俺、この人に惹かれてる。
恋愛感情があるか、ないか...
そんなの分かんない。
でも、今、この瞬間、智くんを知りたいって...もっと彼のことを知りたいと思う自分がいる。
だから......
『どっちがいいの?』彼が聞く。
どっちが??
どっちもしたことなんかない...
もちろん。女の子相手に経験がない訳じゃない。俺だって、まあ、それなりには...
だけど...それとは全然違う。智くんは男だから。当たり前だけど、俺と同じモノが付いている。
『どっちがいいか?』と言われても...
答えに逡巡している俺に、智くんは言った。
「イレたいか?イレられたいか?2つにひとつしかないよ...」
......(;一_一)
もう少し、オブラートに包もうか///
「俺は...」
「うん」
俺は智くんに興味がある。でも、受ける方に興味がある訳じゃない。それなら、悩むまでもないか。
「俺...イレられるのは、ちょっと...」
「じゃ、決まりね♪」
そう言うと智くんは俺の首に両手を絡みつけて来た。
「抱いて❤」
その目に欲情の灯をゆらゆらさせて、俺を見つめた智くんが、俺の手を引いて立ち上がった。
「ベッドにいこ❤」
彼に誘われるまま俺は智くんとベッドに倒れ込んだ。
組み伏せた彼は潤んだ目で俺を見上げている。
ヤバい...今日の俺、おかしいからだな。
智くんが可愛く見えてしまう...
「チュウして、翔くん..」
言われるまま、ゆっくりと顔を近付けていくと、彼はまつげを伏せた。
花のような唇に自分のそれを重ねた。
智くんとの甘いキス。
何だか、ドキドキして...
心臓の音が、彼に聞こえてしまうかもしれないと思うことが、余計に俺の心拍数を上げた。
こんな気持ち、久しぶりだ...
智くんは、舌先をチロリと覗かせ、俺を誘う。
その赤い舌に自分のをくっつけると、何とも言えない熱くてヌルヌルした感覚で、俺の血液はある一点に向かって流れ出した。
「...んふぅ..翔くん...」
甘くて蕩ける咥内を堪能した俺は、唇を頬から首筋へと滑らせた。
「あっ..」
彼から漏れる湿った高い声が、俺のを一回り大きくした。
.....驚いた。俺、男でもちゃんと勃つんだ。
首筋を舌先で辿ると、例えようもなくいい匂いがして、眩暈がする。