第5章 Shake it !
【潤side】
じっと瞳を見つめると、恥ずかしそうに目を逸らした。
「なんで、目、逸らすの?」
「だって…恥ずかしい、だろ…」
そう言いながらホンノリ頬をピンク色に染めた翔さんは、やっぱり悶絶しそうなほど可愛らしくて。
この人、ホントにあの鬼の櫻井って言われてる人と同一人物なのかな?ってくらい、普段とのギャップがある。
そう。
なんたって俺は、ギャップに弱い。
俺が翔さんにキュンとしたのも、そういうとこ。
普段は仕事にすごく厳しい人で。
尊敬できる上司、なだけだったんだけど。
飲み会の席で大野さんにベタベタ触られて、嫌そうな振りしながらも照れて恥ずかしそうにしてる顔。
それを見た瞬間、心臓撃ち抜かれてた。
なに、あれ!?
あの人、あんな可愛い顔すんの!?
ってさ。
だってさぁ、普段はあ~んなに男前なのに、ふとした瞬間に乙女みたいな顔すんだぜ?
ほら、現に今だってさ…
キスするよって言いながら、いつまでも見つめ続ける俺の視線に耐えられないのか、落ち着かなさそうに視線を泳がせてもぞもぞ動き出した。
ふふふ、可愛いの❤
「じゅ、潤っ…揶揄うなら、さっさとっ…」
焦れたように開いた唇を、唐突に塞いだ。
瞬間、アーモンド型の綺麗な瞳が大きく見開かれて。
うわ…その顔も、可愛い…❤
くちゅっとわざと音を立ててすぐに離すと、ホンノリピンク色だった頬は、真っ赤に染まってた。
「い、いきなりすぎるだろっ…」
「キスするよって言ったじゃん」
「だ、だけどさ、普通はもっとこう、ゆっくり、さぁ…」
「じゃあ、こんな感じ?」
翔さんのご要望通り、ゆっくり顔を近付けていくと。
同じようにゆっくり目蓋を下ろしてくれて。
そのキス待ち顔も、ヤバイ…
もっと可愛い顔を見ていたかったけど、さっき触れた翔さんの熱を、もっともっと感じたくて。
そのまま、唇を重ねた。
翔さんの唇は、弾力があって、温かくて。
すっごく気持ち良かった。
閉じられた唇を、舌でノックしてみると。
おずおずと唇を開いてくれる。
そんな反応もさあ~
いちいち可愛いんだってば!
暴走しそうな自分の心をなんとか理性で宥めつけて。
怯えたように奥に引っ込んでた舌を探し出して絡め取った。
「ん、ふっ…」
唇の端から艶めかしい声が、漏れて…
アソコが、ヒドく疼いた。