第5章 Shake it !
【翔side】
部屋のあちこちに焚かれたアロマキャンドルから、いい香りが漂って。
何だかムード満点過ぎて、照れるんだけど。
大体俺、女子じゃないんだから。
こんな演出してもさ...
.......
でもやっぱ、ちょっと、ドキドキする。
もうさ、あいつのヤル気満々感が、見え見え過ぎてさぁ、ちょっとは隠せよ!って思う。
「お待たせです!なんだ、飲んでてよかったのに♪」
半乾きの髪のまま、出てきた松本は、忙しそうに俺の隣に座った。
あんまりぴったりとくっついて座るから、
少し離れようとしたけど、それもなんか意識してるみたいでどうかと思うし。
変な緊張感に、堅くなる俺...
やっぱりこいつのペースだな(-_-;)
「じゃ、翔さん、乾杯しましょ♪」
「あ、うん...でも、何に乾杯するんだよ?」
「えっと、じゃあ、ふたりの甘い夜に❤
なあ~んて、照れますよね~♪」
「...バカ、何、言ってんだよ...」
あ、ダメだ...顔が赤くなる...でも暗いから、分かんないか~...
「翔さん、今度のRPGのキャラ、女の子もう少し巨乳にしましょう!」
「あ~、あの子、智くんのデザインだけど。
松本はそういうのが好みなんだ。」
「ベビーフェイスなのに、胸は大きい!みたいなギャップに、萌えるんですよ~」
ふ~ん、そういうもんなんだな~
普通の男子の会話になった、と安心したのも束の間、
「それより翔さん!俺のこと、潤って呼んでくれる約束ですよね!さっき、そう言ってたし」
あ...そう言えば、そんなこと言ってたっけ。
「ほら❤呼んでください!」
「....いや、でも、急にそんな、さ...」
焦る俺に詰め寄る大きな目...
「翔さん❤」
「...じゅ...潤...」
「やったあ――❤❤」
抱きつかれて、思わずバランスを崩した俺は、そのままラグに倒れて、その上から潤が急接近!
俺の頭の横に両手をついて、キラキラした目で見つめている潤...
ヤバ――――い////襲われる(>_<)
.......
「翔さん....キス、してもいいですか?」
「.....」
黙ったまま潤を見つめる俺...
「拒否しないってことは、OKって思いますよ、俺。」
「...いちいち、聞くなよ...」
自分で自分が、もう分かんないよ!
ホントにこれ、女子だ!