第5章 Shake it !
【潤side】
今の…
めちゃくちゃ可愛かったな…
シャツのボタンに手を掛けたら、真っ赤になっちゃってさ。
「あ、これは、まだ...」
って……
ぐあぁぁっ!!
思い出しただけで、悶絶するっ!!
あんなに可愛いもの、見たことないし!
これはもう、いただくしかないでしょう!!
そのためには、まずは雰囲気作りからやんないとな~。
俺はいそいそと、テレビ横の引き出しから、もうずいぶん前に買って放置してたキャンドルを取り出した。
すっかりブームも過ぎちゃって、存在すら忘れてたけど。
まさかこれが役に立つ日が来るとはねぇ。
まさに、備えあれば憂いなしってやつだな♪
テーブルにいくつか置いて火を点けて。
部屋の照明を少し落としてみると。
まるで地下のバーに来たみたいな、なんともいえない味のある空間が出来上がった。
それから、この日のためにと購入しておいたシャンパンとグラスを用意して。
食べ物はさっき食べてきたからと、クラッカーにチーズをのせたものと乾き物を少しだけ。
よし、オッケーかな?
っと危ない危ない!
忘れるとこだった!
慌てて寝室へ駆け込み、サイドボードからローションのボトルを取り出す。
本当はベッドの方がいいんだろうけど。
もしかして、我慢出来なくなっちゃうかもしれないし❤
浮かれた気分でリビングへ戻ってくると、翔さんが浴室から出てくる気配が…。
急いでソファのクッションの下にボトルを隠した瞬間、ガチャリとドアが開いて翔さんが入ってきた。
「お先~。って、お~、なんかオシャレだなぁ~」
首にかけたタオルで髪を拭きつつ、キョロキョロと部屋を見回しながら俺の隣へ座った。
ふわり、と香る、シャンプーの良い香り。
なんだろう…?
いつも俺が使ってるシャンプーのはずなのに、すっごい良い匂いがする…。
今すぐにでも押し倒したい気分をなけなしの理性でなんとか押し留めて。
「俺も風呂、入ってきますね。先、飲んでていいですよ?」
「いや、待ってるよ」
「じゃあ、急いで入ってきます!」
「ふふっ…慌てなくても、逃げねぇし」
楽しそうな翔さんの声を聞きながら、風呂場へ飛び込む。
シャワーを浴びながら、これからのことをちょっとだけ想像すると、もうすっかりやる気満々のソイツが目に入った。
こいつもしっかり洗っとかなきゃ!