第4章 夢
【和也side】
「痒いところ、ありませんか~?」
「う、うん…」
「じゃあ、バンザイしてくださ~い」
「え、な、なんで?」
「なんでって、脇の下洗うから」
「や、いいよ!自分でやるから!」
「ダ~メ。洗ってあげるって、いったでしょ?」
背中を洗い終わって、前に回り込んで。
ニコリと笑うと、翔さんは渋々両手を上に挙げた。
もこもこに泡立てたナイロンタオルで、優しく脇の下を擦ってやる。
「あっ…ちょっ…くすぐったいよっ…」
「ほらほら、大人しくして!」
目をぎゅっと閉じて、口を真一文字に引き結んで。
必死にくすぐったさに耐えてる翔さんの顔は、やっぱりすっごく可愛くて。
イタズラしたくなっちゃって、タオルの泡を手に取ると、そーっと翔さんの中心へと手を伸ばす。
「んんっ…ニノ、なにっ…!?」
そこは、もう緩く勃ち上がってた。
「なにって、ここもキレイにしないと」
「い、いいよっ!自分でやるから!」
「ダ~メ❤」
泡を擦りつけるように上下に扱くと、みるみるうちに大っきくなってくる。
「ちょっ…やめっ…」
「なんで~?気持ちいいくせに」
「きょ、今日は俺に抱かせてくれるんだろ!?」
「もちろん、そのつもりですよ~?でも、その前に、1回イカせてあげます♪」
言いながら、扱く手を早める。
最初は俺を引き離そうとグイグイ肩を押してた翔さんの手は、しばらくすると力が抜けて。
代わりに、縋るように肩をぎゅっと握ってきた。
「あっ…んんっ…」
段々と、声も艶っぽくなってくる。
「あ、あっ…ニノ、ダメッ…」
切羽詰まった、声。
先端からは先走りの露が、零れ落ちてくる。
そろそろ、かな?
俺は空いている手を伸ばして、風呂からお湯を掬うと、泡を流した。
そのまま、パクリと口に咥える。
「んぅっ…ニノっ…」
咥えたまま、上目遣いに見上げてみれば。
昨日とは違う、オスの瞳が俺を見下ろしてきた。
「ニノ…気持ち良く、してよ…」
艶めいた色っぽい吐息混じりの声が響いて。
するりと頬を撫でられると、俺の背中をビリリと電流みたいなのが駆け抜けた。
…こっちの翔さんも、いいな…
胸の奥底が、ひどく疼いた。
上目遣いに視線を絡めたまま追い詰めると、翔さんの足が小刻みに震えだして。
「あっ…出るっ…」
喉奥に注がれた彼の熱を、飲み干した。