第4章 夢
【翔side】
腰を擦りながらデスクに着いた。
...全く...ニノのやつ。
朝から襲いやがって///
お陰で、腰に来たじゃんか(;一_一)
チラッとニノを見ると、涼しい顔してPCを立ち上げていた。
俺、夕べが初めてだって知ってるくせに...
それに、あいつの、無駄にデカい...
「おはようございます...これ、チェックお願いします」
顔を上げると智くんが俺の前に立っていた。
「あ、おはよ。」
「なんか、お疲れですね、課長」
何だよ、その棒読み...
「いや、別に...」
しれっと目を反らせて、書類を見ようとすると、
デスクの向こう側から、グッと身体を乗り出してきたかと思うと、小声で、
「ニノにヤラれたのかよ?」
って...
「ブーッ///」
俺は思わず、飲んでいたコーヒーを吹き出した。
「な、な、何言って..」
「そんな動揺して///やっぱ、そうなんだ...」
「何がだよ?そんなこと一言も」
慌てて否定したのに、智くんはじとーっとした目で俺を見て、
「...ショック..俺が一番、欲しかったのに...」
そんなショボンとしてさ...
大体朝からする話でもないし。
俺は、ムキになって否定するのも止めにした。
ぼそぼそ言いながら猫背の背中を、一層丸くして智くんは行ってしまった。
その15分後。
入れ替わりにやって来たのは雅紀...
「課長、会議室押さえました」
「あ、ありがと。資料も人数分頼む」
「...はい...」
話しが終わったのに、そのままつっ立てる雅紀の顔を仰ぎ見ると、
ちょっと唇を尖らせて俺を睨んでる。
「なっ、何だよ?」
「......」
すると雅紀は黙ったまま、携帯を取り出し何やら打ち込んでいる。
何してるんだ..?
とその時、俺の携帯が震えた。
ちらっと見ると、LINEは雅紀からで、
『ニノにバージン上げるなんてズルいです』
と書いてあった。
俺は思わず携帯を落っことした。
何だよ~///
みんな揃いも揃って!!
どうして、そんなこと知ってるんだよ~!?
......ということは...?
俺は、こっちに向かって歩いて来る潤を見つけて、大急ぎで立ち上がった。
「課長、どこ行くんですか?」
慌てる雅紀の声を背中に聞きながら、
「トイレだよ!いちいち聞くな!」
大急ぎでその場から逃げた。