第1章 Kissからはじめよう
【翔side】
『俺が好きなのは誰だと思う?』って...
上目遣いで俺を見る智くん。
その目がさ、もう獲物をロックオンした豹にしか見えなくて...
「誰って、だっ、誰かな~?」
「教えてあげよっか?」
「えっ??」
いいって!教えてもらわなくてもいいって、そう言えよ!!俺の中の理性が必死でそういうのに...
なんでだろ?
俺は黙って智くんを見てる...
智くんの瞳の中に、怯えた俺が映ってて...
逃げろ!ってそう言ってる。
なのに...
「じゃあ~、教えてあげるから10秒数える間、目を瞑ってみて♪」
嫌だって、言えよ!
何でそんなことしなきゃいけないんだよ、って、そう言うんだ...
俺は、ゆっくりと目を閉じた。
俺を突き動かすのは、俺の中の、天使なのか、はたまた悪魔なのか?
「い~ち、に~い、さ~ん....きゅう..じゅう❤」
俺が目を開けるより、一瞬早く、智くんの唇が重なった。
うそっ///
何よりも驚くのは、智くんが騙し討ちみたいにキスしてきたことじゃない。
それを払いのけようともしない自分だ。
俺が拒絶しないのをいいことに、智くんは俺の首を引き寄せ、その拍子に薄く開いてしまった唇を割って、舌を差し込んできた。
「...んっ..」
ヤバい///変な声が漏れちゃった...
彼の舌は、直ぐに俺のを絡め取って、くちゅくちゅというイヤらしい音を立て始めた。
脳髄が痺れて、思考が止まる。
彼のキスが、あんまり気持ちよくて、甘くて...
俺は知らず知らずに自分から舌を絡めていた。
「...んんっ..しょうくん...嬉しい...」
激しいキスに、酸素を求めて身を捩ると、彼の唇が離れていった。
それをちょっと寂しいと思ってしまう俺は、もう頭がおかしくなっているんだ、きっと。
「何で...?」
「だって、翔くんのことが好きだから...」
「...智くん...」
「ずっと、翔くんだけを見てたんだ...大好きだから...お願い...俺と付き合って...」
「...付き合うって、俺達、男同士だよ~?」
「だから?」
だからって...俺の方が普通じゃないのか?
「翔くんが男だって知ってるよ。でも好きなんだもん。しょうがないよ...」
そう言って彼は俺の前で膝立ちし、俺に見せるようにゆっくりとトレーナーを脱ぎ捨てた。