第4章 夢
【智side】
「ねぇねぇ~、あの2人、どうなったかな~?」
テーブルに突っ伏して、目の前に転がってるビールの空き缶をコロコロ転がしながら、相葉ちゃんがぽつんと言った。
「どうって…ヤッてんじゃん?」
さらりと答えた松潤は、グラスに赤ワインを注いでる。
「やっぱ、そうだよねぇ…」
「そりゃあそうでしょ。お試し期間なんだから」
「でもさぁ、今日からだよ~?そんなに早くヤルかなぁ~?」
「相葉さんは、何日目にヤッたの?」
「…」
「…初っ端からヤッてんじゃん」
無言になった相葉ちゃんを見ながら、松潤が余裕の笑みでワインを飲み干す。
2人で連れ立って帰っていく翔くんとニノの姿を見送って。
帰ろうかと立ち上がった俺は、突然松潤と相葉ちゃんに両脇から抱えられて。
んで、今はなぜか俺んちで3人で飲んでる。
自分ち帰れよ!って、言おうかとも思ったんだけど。
なんとなく落ち着かない気持ちは痛いほどわかるし。
ま、今日は仕方ないかぁ…。
俺は2人の会話をぼんやり聞きながら、焼酎を開けた。
「…なんか、余裕じゃん、松潤」
「そんなことないよ。焦ってるよ?俺が最後なんだし。あんた達がヤルコトやり尽くしてるだろうからねぇ。バージンも、ニノがもらっただろうし」
「ええぇっ!?」
叫んで、相葉ちゃんは勢いよく飛び起きた。
「ば、ば、バージンって、マジでぇ?ニノがぁ!?」
「たぶん。そんな感じだったよね?あれ」
いきなりこっちに同意を求められて。
俺は反射的に頷く。
「まぁ、突っ込まれてるだろうな、今頃。くっそ…最初は俺がもらいたかったのに」
でも、あんなデカいのが一発目なんて、翔くん大丈夫だったかなぁ…。
「え~?ニノってそんな感じなの~?普段は可愛いのに~」
「いや、あいつは案外オスだよ?ねえ、大野さん」
「あいつさぁ、容赦ないんだよ。大して解しもしないでさぁ、あのマグナム級のぶっ込むの。ほんと鬼だって」
「…おーちゃん、生々し過ぎ…」
「翔くん、大丈夫かなぁ…」
「まぁさすがに本当に好きな人には、ちょっとは違うんじゃない?俺らの場合は、単なる欲求不満解消なんだし」
「だといいんだけど」
「ってか、そんなことしてたんだね、みんな…」
呟いた相葉ちゃんを見て、思わず松潤と目を合わせた。
ニヤリ、と松潤が楽しそうに笑う。
「…相葉くんも、ヤる?」