第4章 夢
【和也side】
「じゃあ、入れるね?」
翔さんが小さく頷くのを確認して、先っぽを押し込んだ。
「ああぁっ…!」
瞬間、大きな叫び声が浴室に響いて。
翔さんの体が今までにないくらい大きく震えた。
「やだっ…ニノっ…!」
逃げていこうとする腰をしっかり捕まえて、ゆっくり奥を目指すけど、翔さんの中は狭くて硬くて。
なかなか進めない。
「痛いっ…ニノ、待ってっ…」
髪を振り乱しながら懇願されたけど、もう止められない。
ごめんね、翔さん。
でも、こんなチャンス、逃すわけにはいかないんだ!
「…っく…翔さんっ、力、抜いてっ…」
「あぁっ…無理っ…」
奥へ進みたいのに、痛みのせいで強張った体は、俺を拒むように閉ざされたままで。
腰を掴んでいた手を片方離し、前へと伸ばした。
萎えた翔さんの「しょうくん」を握る。
「あっ…ニノっ…やだっ…」
そのまま上下に扱いてやると、やがてまた堅さを取り戻してきて。
同時に、強張った体が少しだけ緩む。
それを見逃さずに、ちょっとずつ奥へと進む。
「あっ…あ、んんっ…」
ゆっくり時間をかけて最奥を目指して。
ようやく全部を翔さんの中に収めた時には、2人とも汗だくだった。
「っあ…はぁっ…」
苦しそうな吐息と、大きく上下する背中。
自分も初めて他人を受け入れた時の痛みを思い出して。
堪らずにその背中をギュッと抱きしめた。
「…ごめん、ね…」
「…謝るくらいだったら…最初からやるなよ…」
「だって…」
俺のために、こんなに我慢してくれるなんて思わなかったんだもん…
別に、俺のこと好きになってくれたわけじゃないのに…
「…ニノ…」
少しだけ後ろを振り向いた翔さんの大きな瞳が、さらに大きく見開かれる。
ゆらゆら揺れる、視界の向こう側で。
「…バカ…こんな状況で、泣く奴があるかよ…」
「だってぇ…」
嬉しいんだもん…
翔さんが俺を受け入れてくれたこと、嬉しくて堪んないんだもん…
絶対に叶わない夢だって、諦めてたから…
「…バカだな…」
翔さんの腰に回した手に、そっと翔さんの手が重なって。
宥めるみたいに撫でてくれた。
「…動いてよ。一つに、なろう?」
その先を強請ったのは、翔さんの方。
「いいの…?」
「…うん…ニノが、欲しい」
はっきり告げられた言葉に、頭が真っ白になった。