第4章 夢
【翔side】
な、なんか、いきなり過ぎないか?
それに、この展開...って、まさか、俺が...?
頭の中が一気にピンクになりつつあるのを、何とか阻止しようとする。
顔を背けようとしたのに、それをニノの唇が追いかけて来て、また掴まる。
腰の横で、両手首をドアに縫い付けられ、不覚にも身動きが取れない...
いや...
押し返そうと、本気になれば出来ないこともない、
なのに...
俺の身体は、唇から、何とも言えない甘い痺れが全身に広がっていて。
なんだか...気持ちイイんだ...
こいつの思い通りっていうのはどうなんだ!?
と思う裏側で、このまま身を委ねてしまいたいという、危険な衝動が沸き起こっている...
チュッチュッという卑猥な音がいつまでも玄関で響いていて...
やっと解放された時には、すっかり俺の息も上がっていた。
「そんな色っぽい目、初めて見ました❤」
「う、うるさい...」
慌てて目を反らした自分の行動に、もう頭の中はパニック寸前だ。
どうした!?俺??
ニノ...
こいつ魔法使いかなんかか?それとも、百戦錬磨か?
...どちらかと言えば、後者、なのかな?
「...あの、ニノ...俺さ..」
なんとか距離を取ろうとする俺を、瞬時に察知したのか。
「お風呂入りましょ♪翔さん、先どうぞ。それとも一緒に入りますか~?」
「い、いや、いい!一人で入る」
逃げるように脱衣所に来て、鏡を見て愕然とした。
ほんのりピンク色に上気した頬。
強請るような潤んだ瞳。
なんなん!?マジで...
こんな顔、あいつに見せてたのか?
エロい...自分で言うのもなんだけど、エロいんだよ///
これじゃあ、『シたいです』って、言ってるようなもんだよ。
部屋に入るなり、あんなことしたくなっても仕方ない///
俺は急いで冷たい水で顔を洗った。
どうしちゃったんだよ、俺...?
これじゃ、誰でもいいからやりたくてうずうずしてる娼婦みたいじゃん!
しかも男相手限定の...
こんなはずじゃ///
頭を抱えたその時。
「やっぱり一緒に入りましょ?」
既にワイシャツを脱いでいたニノは、俺の返事を待たずにスラックスを脱ぎ、一気に下着を下ろした。
目の前に現れ出た『ニノ』...
う、嘘だろ~??
半勃ちのそれは、想像以上の存在感だった。