第2章 unknown
【和也side】
なんとか、上手くいった…。
正直、大野さんに出し抜かれたってわかった時はマズいって焦ったけど。
これでスタートラインには立てたことになる。
まぁ、ここまでくれば、後はどうとでもなりそうだ。
ぶっちゃけ、相葉さんには負ける気しないし。
大野さんも、1歩リードはされてるけど、さっきの暴露話で櫻井さんはだいぶ気持ちが離れてる。
ライバルらしいライバルは、潤くんくらいかな?
…あいつ、エッチも巧いんだよなぁ…。
この間も、気を失うまでイカされたし…。
あ、でも櫻井さんは大野さんを抱いたことはあっても、抱かれたことはないはずで。
となると、いかに潤くんといえど、櫻井さんを攻略するのは至難の業のはず。
まさか、潤くんが抱かれる側に回るとは思えないし。
それより先に、俺が櫻井さんに抱かれればいいんだ。
そっちのテクニックには俺、ちょっと自信あるしね。
「ねぇ~、じゃあさ、順番決めようよ!」
頭の中で計算していると、相葉さんが呑気に言い出した。
「大野さんは1回ヤッてるから、一番最後ね」
「ええ~っ、なんでだよ~!ズルイ!」
潤くんの言葉に、大野さんが抗議の声を上げる。
「ズルくない!ズルイのは大野さんだろ!」
「どこがズルいのさ~!別に翔くんを襲ったわけじゃないもん!お互い合意の上で、エッチしたんだもん!ね~?翔くん❤」
「え、え、あ、うん…そうだったかな…?」
「ほらっ!」
「ほら、じゃねぇだろ!櫻井さんキョドってるじゃねぇか!」
「え~?あんなに盛り上がったのに~?」
「も、盛り上がったって…!」
「だって翔くん、俺の中で気持ち良さそうにイッたじゃ~ん!もう出ちゃう~ってさ」
「智くん、やめてっ!」
あまりにも明け透けな発言に、相葉さんはぽか~んと口を開けて固まり、潤くんは思いっきり眉を顰めた。
櫻井さんは茹で蛸みたいに真っ赤になってしまって…。
頭痛くなってきた…
俺たち、あんな人に出し抜かれたのかよ~!!
「と、とにかくっ!俺の気持ち無視して話を進めんの、止めろ!あんまり揶揄うなら、俺は降りるぞっ!」
「「「「それは、だめ~っ!!」」」」
ブリブリ怒って立ち上がろうとした櫻井さんを、4人で慌てて引き留める。
「じゃあさ、櫻井さんが順番決めてよ!それなら俺たち文句言わないから!」
「えっ!?俺がぁ~!?」