第2章 unknown
【雅紀side】
ニノがとんでもない提案をブッ込んだ。
『順番に付き合ってみる』
普通じゃそんな馬鹿げたこと、あり得ないって思うけど...
これはチャンスだ!
一発逆転だって、大いにあり得る。
まあ、大野さんにリードされてしまったのは否めないけど。
正直、そんなに点差が開いてしまったとは思えない。
まだまだ逆転のチャンスは十分にある。
ただ、それは俺以外の二人にも...
なんなら、大野さんにも言えることで。
じっと考えたまま、何も言わない櫻井さん。
「深く考えなくてもいいんだ、通販にだってあるじゃん!『使ってみて気に入らなければ返却してください』っていう...あれと同じだよ。」
「通販って...」
俺の言葉に、驚いたように大きな目を一段と大きくした櫻井さん。
「深く知ってみなきゃ、分かんないじゃん...
身体の相性とかもあるし..」
「か、身体のって///」
櫻井さんがその言葉に反応してパッと真っ赤になった。
...可愛い❤
....欲しい...この人が...
俺のものにしたい。
俺は他の3人の顔を見た。
....正直、こいつらに勝てるとな思えない。
セックスだって、そんなに自信がある訳でも、ないし...
だけど。
櫻井さんを好きだっていう気持ちは負けない。
絶対に...この人たちには...
「俺...」
やっと口を開いた櫻井課長を、みんな黙って見つめている...何て答えを出すんだろう...
「...もし仮に、順番に、その、付き合うとして...
1週間付き合って、答えが出なかったら...その時は、どうすればいい~?」
不安げに揺れるアーモンドの瞳。
...抱き締めてあげたい///
悩ませちゃってごめんね...って、そう言って..
「その時は、またその時にどうすればいいのか、考えればいいよ...
こうして睨み合ってても、何も始まらないし...」
ニノの納得の提案を聞き、櫻井さんは真っ赤な唇をキュッと横に結んだ。
...決心..したのかな?
「どうか、俺達にもチャンスをください!」
追い打ちをかける潤...
さあ!!彼の答えは!?
「.....分かった。そうしてみるよ..
ただ一つだけ。就業時間中は、今まで通りだ。
智くん、君もだよ?俺への接し方は、変えないで欲しい」
勿論、俺たちに異議なんかない。