第2章 unknown
【翔side】
.....なんだ?これ...??
もうこの急展開に、思考が追いつかない。
智くんと迂闊に関係を持ってしまったことは、軽率だったと言われればそうかもしれない。
でも...
だからって、今この状況は、想定外も想定外。
この3人は、俺のことを揶揄っているのか?
俺が智くんを抱いたなんて知って、面白がってるのか?
しかもさ...
智くんがこの3人と!?
恐る恐る、智くんをみると、彼はさっと目を反らせた。
.....否定しないんだね...
「智くん...ずっと俺のことが好きだったって...あれは嘘だったの?」
「嘘じゃない!!ずっと翔くんが好きだった...」
「じゃあ、なんで...」
智くんは泣きそうな顔で俺を見てて...
何でそんな顔するの?
泣くのはズルいよ...
もう頭がおかしくなりそうで...今まで生きてきた俺の中での、常識のものさしが、もう何の役にも立たないことが分かって。
気まずい沈黙を破ったのは潤だった。
「櫻井さん...俺、あなたに思いが届かない淋しさを、大野さんで埋めていたのかもしれない...
櫻井さんだと思って...大野さんを抱いた..」
「...潤...」
「俺だって!!櫻井さんに打ち明ければ嫌われちゃうって思って...だから、大野さんの誘いに乗っちゃって...」
雅紀の目から、ポロリと涙の雫が零れた。
「俺は...大野さんと寝たこと...後悔してる。
逃げずに櫻井さんに打ち明けるべきだったのに...」
ニノもはっきりと言った。
...ちょっと...それじゃあさ...
今の話がホントなら、大野智って、とんでもないビッチなんじゃ...
「大野さんを抱けたんなら、俺のことも抱いてよ...」
...雅紀...
「もう、この気持ちから逃げないよ...櫻井さん、好きだ...」
...潤...
「素直に...この気持ち、伝えたい...櫻井さんの事が好きだって...」
...ニノ...
俺の視線は、最後に智くんに止まった。
今度は、真っ直ぐに俺を見た智くんは、きっぱり言った。
「俺は翔くんが好き...もう、翔くんしか見ないよ!神に誓う...だから、俺と付き合って!」
「「「ダメだよ!!」」」
4人はやんややんやと揉めだした。
「ちょっと!」
俺の声に4人は一斉にこっちを見た。