第2章 unknown
【和也side】
やっぱり…
入ってきたときの大野さんと、大野さんにくっつかれて満更でもなさそうな櫻井さんの様子を見て、嫌な予感がしたんだよね。
悔しいけど、相葉さんの勘は当たってたってことだ。
あの人、野生の勘だけで生きてるとこあるからな~。
じゃなくって。
とにかく、今は大野さんの暴走を止めることを考えなきゃ。
別に協定結んだわけじゃないけど、今まで抜け駆けなしでここまできたのに。
いきなり1人で出し抜くなんて、許さないんだから。
それに。
今の櫻井さんの様子だと、大野さんに押しきられただけで、大野さんのことだけが好きってわけでもなさそうだし。
頭の中でいろいろ考えながら、俺も相葉さんと潤くんに続いて手を挙げた。
「俺も、もちろん参戦しますよ」
「え…二宮、おまえも…?」
上手く隠してたとはいえ、全く気付いてなかったって感じに目を見開く櫻井さんを見て、ため息が出そうになった。
まぁ…
俺より分かりやすい相葉さんも気付かれてないんだから、当然っちゃ当然だけどね。
「え…待って…ちょっと…え!?」
突然の展開に、さすがの櫻井さんも頭が付いてこないのか。
目を白黒させながら、俺たちの顔を交互に見渡してる。
「ダメだよっ!翔くんは、もう俺んだから!ね~、翔くん?」
「いや…ね~って、言われても…」
「え~!?付き合うって言ってくれたじゃん!」
「それは、その…あくまでも、お試しってことで…」
「なんだよ、それ~っ!?ひどい!俺を弄んだの~?」
「も、弄んだって、人聞きの悪いこと言うなよ~!智くんが無理やり押し切ったんじゃん!」
「だって、ノリノリで俺のこと抱いたくせにっ!」
「「「ええ~っ!!?」」」
大野さんの衝撃発言に、俺たち3人は仰け反った。
途端に、櫻井さんの顔が茹で蛸みたいに真っ赤になる。
「そ、そ、それは、その…別にっ、ノリノリじゃないし!」
「うそっ!だって俺に突っ込んで、ガンガン突きまくってたじゃん!気持ちいいって言ったじゃん!」
「そ、それはさぁっ…」
耳を塞ぎたくなるような会話を聞きながら、ふっと閃いた。
これを出せば…とりあえず、大野さんを見る目は変わる。
まぁ、俺たちを見る目も変わるかもしれないけど…
でも、これしか、ない。
「でも…大野さん、俺たち3人ともセックスしてるじゃないですか」