第2章 unknown
【雅紀side】
なんだ、これ?
俺とニノに見せつけるように、わざとらしくべたべたしてみせる大野さん。
まあ、それはいつものこととして、だ。
注目すべきは櫻井さんの態度だ。
いつもはそんな大野さんのこと、上手に突き放すのに、今日はなんか違ってて。
気のせいかな?
いや、気のせいだと思いたいけど。
くっ付く大野さんに、ちょっと照れたように、赤くなってるよね..?
....嫌な予感がする...その時。
「今日は重大発表がありま~す!」
大野さんが畏まって立ち上がった。
「えっとぉ、丁度いいから言っとくけど。俺、翔くんと付き合うことになったから!」
「ちょっ、智くん///」
慌てて大野さんの腕を引っ張る櫻井さん。
「いいでしょ?嘘ついてる訳じゃないんだし!」
「だけど、そんなこと、何もここで...」
「翔くん、こう言うことはきっちりしとかないと...」
「ちょっと、いいかな?」
堪らず割って入ったのは松潤だ。
「大野さん、それはさ~、ここに居る俺達がみんな櫻井さんのこと好きだって、分かってて言ってるんだよね!?」
「えっ??」
櫻井さんは、ビックリした顔で固まった。
...やっぱり気付いてなかったんだね?
まあ、俺も鈍い方だけど、あなたには負けるよ~
俺達が...ニノはそうでもなかったにしろ、こんなにラブビーム送ってても、
↑言い方が昭和っ///
全然気づいてないってさ~...
あ、もしかして、男が男に..って、そういうの、課長の中にはなかったのかな~?
だったら、大野さんと付き合うって...
じゃあ、そのどんぐりみたいな大きな目を開いて、『今まで全然気づかなかったよ』的な顔は、可笑しくありませんか?って話だよ。
「課長!課長は大野さんが好きなの??」
お、松潤...さすがの直球。
「いや、好き...っていうか、まあ、お試しって感じの...」
「なら、俺にもお試しさせてよ!」
「「ふえっ??」」
櫻井大野、見事にハモった///
「だから~、タメすんなら、俺とも試してほしいよ!」
「だったら俺も俺も!!俺もその件、参加します!」
勿論俺も、その提案に手を挙げた。
俺だって、大野さんに負けない気持ちで、櫻井さんが好きだもん!
「...その件ってさ...」
困惑顔の課長。その時、
「ハイ..」
ニノが手を挙げた。