第2章 unknown
【智side】
個室に入って驚いた。
ニノも来るなんて、知らなかった。
あいつ、いつもいろんな飲みの席断ってんのに~。
後から松潤もくるらしいし。
ねぇ、これって「翔くん大好き連合」全員集結じゃないの~!?
あ、でもちょうどいいかも。
こいつらに、俺と翔くんのことちゃんと話しといた方が良いよね。
俺たち、付き合うことになりました、ってさ。
じゃないと、こいつらいつまで経っても翔くんのこと、諦めそうにないしね~。
「…なに、ニヤニヤしてんの?気持ち悪い」
「べ~つに~?」
ニノが睨んできたけど、スルーしといた。
だって俺、翔くんの彼氏だし!
あ、いや、彼女か…?
どっちでもいいか。
とにかく翔くんは俺のものだから!
「座ろ、翔くん❤」
俺は翔くんの腕を取って、無理やり隣に座った。
そのままスルリと腕を絡めると、翔くんは慌てて離れようとする。
「ちょ、ちょっと智くんっ…」
「なんで~?いいじゃん」
「よくないよ!」
引き剥がそうとするから、絡めた腕をムギュッと引き寄せて離されないようにした。
「んもう…」
呆れたようにため息を吐いた翔くんの頬は、でもホンノリピンク色に染まってて。
んふふ、照れてんだ~。
可愛い❤
そこでようやくニノと相葉ちゃんを見ると、2人とも呆然とした顔で俺たちを見ていた。
「なに~?どしたの~?」
「…いや…」
ニノは相変わらず睨んでくるし。
相葉ちゃんなんか、ポカンと口を開けちゃってる。
あ、バレちゃったかな~?
俺たちが、1歩進んじゃったってこと。
「ごめん、遅くなって」
その時、松潤がようやくやってきて。
入ってきた途端、入口のとこで足を止めた。
もちろん、俺と翔くんの姿を見てね。
「…え?なに?どういうこと?」
怒ったように眉を顰めて、向かい側にどっかりと座った。
「とりあえず、ビール頼もっか」
なにか言いたげな3人を無視して、5人分のビールを注文する。
ビールがやってくるまでの間、不穏な空気が流れる空間で、誰一人話をしようともしなくて。
「あ、あのさ…なんなんだろ、これ…」
唯一翔くんだけが、おろおろしながら俺たちの顔を交互に見てた。
やがて運ばれてきたビールを各々手に持つと。
俺はわざとらしく咳払いをしてみせた。
「え~、今日は重大発表がありま~す!」