第2章 unknown
【雅紀side】
仕事をしながら、俺はチラチラ携帯の画面を確認してた。
ニノから連絡が来る手筈になっていて、
それを確認をしてから、今日の飲みの会場を予約するのが俺の役目だ。
メンバーは、俺とニノ、松潤と大野さん...
上手くいったら櫻井課長も来てくれるかも。
これは松潤の手腕にかかっている。
この5人だけの面子は、実現すれば初めてだな~...
♪♪~♪♪~♪
あっ!来た!
急いでLINEを開くと、
『松潤が課長を誘うのに成功した!7時に予約して』
オッケイだ!
よし、じゃ、ネット予約して...
個室がいいかな~?込みいった話になっちゃうかもしれないしな~...
あ、ここがいいかな...よし、人数5人...っと..
「これでよしっと..」
予約した、会社の近くの居酒屋の情報をニノに流した。
フロアーの中をそれとなく見渡してみる。
電話で話す櫻井さん。
大野さんは...あ~あ、大きなあくびしてるよ~。あの人今日は一段とやる気なしだな。
そこに丁度松潤が入ってきて、課長のデスクに大股で歩いていく。
電話が終わった櫻井さんは、松潤と真面目な顔して、何か話している。
仕事の打ち合わせだろう。
....絵になるツーショットだなぁ。
その辺のアイドルより、よっぽどキラキラしてるよ~...あの二人。
社内でも女子の人気を、二分してるとか、してないとか。
分かるよね...俺が女子でも、給湯室で話題にしちゃいそうだよ。
.....そう。
俺は、櫻井さんが好きなんだ。
普通に女の子と付き合ってたし、そっちじゃないとは思ってる。
いや、実際そうだし!
だから。
初めてなんだ...男の櫻井さんにこんな気持ちになったの...
最初は気付かなかった。自分の気持ちに。
でも、飲み会で女の子たちが、話しているのを聞いて。
「櫻井課長って、彼女いるのかなぁ~?」
「私、課長に抱かれたぁ~い❤」
「もうやだ~!露骨すぎ//」
.......愕然とした。
だってその瞬間、俺、気付いちゃったんだもん!
俺の心にあった、モヤモヤした気持ち。
そうだよ!それなんだ!!
『俺....俺も、櫻井さんに、抱かれたい』
信じられないし、信じたくないけど。
そう願ってる自分が、
確かにそこにいたんだ。
....あの逞しい胸に、強く抱き締めてほしい..