第7章 まだ見ぬ世界へ
【和也side】
全くもう…
朝からお盛んなことで…
スッキリした顔の3人は仲良くお風呂に行ってしまったので、俺と潤くんで朝ご飯を作ることにした。
冷蔵庫にあった野菜を潤くんが適当に切って鍋に入れている。
「手際いいねぇ」
感心してると、嬉しそうに微笑んだ。
「好きなんだよ、料理」
「へぇ~、良い奥さんになれるね」
「誰が奥さんだよ」
並んで台所に立ってるのが、なんだか楽しい。
もちろん、一番好きなのは翔さんだけど。
でもこうやって潤くんや大野さんや相葉くんと一緒にいるのも楽しいし安心する。
本当はライバルのはずなのにね。
でも…
これからもこうやって、5人でいられたらいいなぁ…
「ニノ、スープ出来るからパン焼いて」
「あ、はいはい」
潤くんに言われてパンをトースターにぶち込んでると3人がシャワーからでてきて。
「良いニオイ~!」
相葉さんはワシワシと髪を拭きながらキッチンへとやって来た。
「なんか手伝う~?」
「じゃあ、ヨーグルト出して」
「お皿出しとくよ~」
ダイニングテーブルには大野さんがスプーンやお皿を並べてる。
「俺もなんか手伝うよ」
「あ、翔くんは座ってて!」
翔さんが腰を浮かすと、大野さんが慌ててそう言って。
翔さんは子どもみたいに頬を膨らませた。
「俺が手伝ったら邪魔なのかよ…」
「ち、違うよ!翔くんはお姫様なんだから、黙って座ってればいいの!」
「姫じゃねぇし!」
「いやいや!姫でしょ!」
「俺たち4人の姫だから!」
俺と潤くんも続くと、翔さんは顔を赤くして黙り込んだ。
「お姫様、カフェラテどうぞ~」
相葉くんが、少し戯けながらマグを差し出す。
「ありがとう…」
小さく呟いて両手でマグを包み込んだ姿は、やっぱり姫みたいだった。
それから5人で朝食を食べた。
トーストと残り野菜のスープとヨーグルトという、何の変哲もないご飯だけど。
みんなで食べると、何倍も美味しく感じた。
…ずっと、こうだったらいいのに…
「…このまま、みんなで暮らせたら楽しいよね、きっと」
まるで俺の心の声が聞こえたみたいに、相葉さんがぽつんと呟いた。
「じゃあさ…みんなで一緒に住んじゃいましょうか?」
俺はそう言って、窺うように翔さんを見つめた。
「ええ~!?それ、本気~?」
「もちろん!」