第7章 まだ見ぬ世界へ
【智side】
その後、シャワーを浴びることにしたんだけど、誰が翔くんと浴びるかで揉めに揉めて、結局5人で一緒に浴びた。
狭いっつ~の!
寝る時も、全員ベッドに寝られないから、誰が翔くんと寝るかで揉めに揉めて、結局ありったけの布団をリビングに敷いて、雑魚寝することに…。
だから、狭いっつ~のっ!!
翔くんの隣で寝るのは、じゃんけんで勝ってなんとか死守したけど、結局俺、翔くんとエッチ出来なかったし…
あ~あ、なんか前途多難だなぁ…
薄い光を目蓋の向こう側に感じて。
目を開くと、目の前には無垢な顔して眠る翔くんがいた。
可愛い…❤
朝から幸せだなぁ…
そっと唇にキスすると、目蓋が震えて。
ゆっくりと宝石みたいな瞳が現れる。
なんか、こういう話あったよね?
キスしたら、お姫様が起きる、みたいな…
だって、翔くんは俺たちの姫だもんね♪
「おはよ、翔くん」
「…はよ…」
まだ寝ぼけ眼の翔くんは、とんでもなく可愛くって。
やっぱ、姫だぁ♪
俺はムギュッと翔くんに抱きついた。
「ちょ…なに?朝から」
「だって、翔くんが可愛いんだもん」
「はぁ?可愛くねぇし…」
言いながら、なんか恥ずかしそうに頬を染める。
「どうしたの?」
「…だって…当たってるし…」
言いながら、チラリと視線を下に流す。
ムギュッて抱きついたから、朝から元気なあいつが翔くんに当たってたのに、その視線で初めて気付いた。
「だって朝だもん!」
「ほんと、精力だけは有り余ってるよね…おじいちゃんみたいなのに」
呆れた顔をしてるけどさ。
「翔くんだって同じじゃん!」
俺の腹にも、硬いのが当たってますけど~?
「仕方ないだろ。朝だもん」
「じゃあなんで俺ばっかり言うんだよ~」
「エロじじいみたいな顔してるから」
「はぁ~!?してないし!」
「してる」
「してない!」
も~、怒った!
俺は翔くんを組み敷こうと、上半身を起こしかけた。
けど、一瞬早く翔くんが俺の上にのしかかってきて。
「えっ…?」
ものすごい早業で、後ろに指を突っ込まれた。
「あんっ…」
「昨日、俺、誰にも入れなかったからさぁ~、いいよね?」
見下ろしながらニヤリと笑った翔くんは、いつの間にかお姫様じゃなくて野獣に変身しちゃってた。
「俺だって、入れてないんだけど~!」