第1章 Kissからはじめよう
【智side】
俺が『しょうくん』をしゃぶってるのを、本体の翔くんが潤んだ瞳でジッと見てる。
俺も翔くんから目を逸らさずに、口を窄めてしょうくんを扱く。
「ん、あっ…智、くん…」
そのぽってりとした赤い唇から、熱い吐息とともに艶めいた声が漏れて。
初めて聞いた欲情に塗れたそれに、心臓が跳ね上がった。
「ひもひ、ひひ~(気持ちいい~)?」
「ああっ…やめっ…」
しょうくんを舌で転がしながら聞いてみると、甲高い声を上げて身悶えて。
しょうくんもグンッと大きくなる。
それがもう、堪んなく可愛くて。
俺は張り切ってしょうくんを扱く動きを早めた。
「あっ…ダメだって…!」
大きく開いた足が、小刻みに震え始める。
あ、もうすぐだ♪
「ちょ…待ってっ…出ちゃうからっ…」
焦った翔くんが俺の頭を両手で掴んで引き離そうとするけど、俺はしっかり腰に手を回してさせないようにする。
「や、ばいからっ…離せって…!」
「ひひよ~、はひへ(いいよ~、出して)」
「あ、あぁっ…!」
最後に思いっきり先端を吸い上げたら。
めっちゃ可愛い声を上げて、俺の口の中に思いっきり吐き出した。
飲むつもりなんてなかったのに、あまりの勢いの良さに、つい反射的に飲み込んじゃって。
……苦い……
でも、これが翔くんの味なんだ~♪
「な、なにやってんだよっ…」
まだ整わない息で、翔くんが勢いよく起き上がった。
「なにって~?」
「そ、そんなの、飲むなよっ」
耳まで真っ赤にして怒った振りをするのが、一段と可愛くて。
やべぇ…食べちゃいたい…❤
俺が抱かれる側って決まったけど、このまま押し倒しちゃおっかな~❤
「なんで~?だって翔くんの全部が欲しいんだもん❤」
そう言うと、もっと恥じらう顔をするかと思ったのに。
いきなり、ふて腐れたように口を尖らせると俺を睨み付けてきた。
へっ!?なんで!?
「いつも、こんなことさせてたんだ」
「はぁ!?」
「いつもこうやってさ、気持ちよくしてもらってたんだろ、彼女とかに」
「ええ~っ!?そんなことしてないよ~っ!」
「嘘だ。だってすげぇ巧かったもん」
怒ったみたいな口調で言うと、ぷいっと顔を背けてしまった。
ねぇ……
それってさ…
もしかして、もしかしなくても…
嫉妬、してくれてるの……?