第7章 まだ見ぬ世界へ
【雅紀side】
目の前で、大野さんが翔さんの唇を食べてる。
重ねただけのそれは、直ぐに外から見ても分かる深さに変わっていく…
……何?この感覚…
やきもち?
う~ん…まあ否定はしない。
確かに、目を閉じて大野さんのキスを受け入れた翔さんの顔を見て、ジリリと胸の奥が音を立てた。
だけど。
それとは違う感覚が俺を侵食していく…
目の前で、大切なひとが…大好きな人が、
俺以外の人と、濃厚なキスをしている…
見ている俺は…
それを見せられている俺は……
あり得ないことだけど、欲情してた。
アダルトビデオを一人こっそり観てる時と、ちょっと似てるのか?
そうじゃないよ、多分。
多分だけど…
翔さんと大野さんだから…ビデオというよりは、一枚の絵を観てるみたいだ…
綺麗…
そう…二人が綺麗で…
そして、最強にヤラしい…
大野さんの舌を絡めて離さない翔さんの、細く尖った顎のラインが…
例えようもなくエロくて…
俺はもう、息をするのも忘れてみていた。
すると…
「ぁっ!何すんだよ?」
ニノが俺の股間をスルッと撫でた。
「だって、変なことが不自然に盛り上がってるからさ~♪何かな~?と思って…」
そう言って少し馬鹿にしたように笑うニノ。
「そういうお前はどうなんだよ~!?」
負けじと強気に応戦すると、ニノは至極当たり前だという顔で、
「俺だってさっきから反応してますよ?当たり前でしょ~?こんないやらしい翔さん見せられて、欲しくならないなら、止めた方がいいってこと!」
…なんだそれ?偉そうに言ってるけど、内容はもう、ただのエロおやじだからな!
まあ、俺も人の事は言えないけど…
そうなると…
俺とニノは、ゆっくりと松潤を見た。
すると彼は、唇を片方だけ上げて笑って、
「どうする?この辺で止めとく?それとも、この先、行くとこまでしっかり見届けるの?」
……見届ける…って…
俺はもう一度、抱き合う二人を見た。
いつの間にか大野さんの手がシャツのボタンを外して、その奥に入り込んでて。
翔さんは、その奥で施されている甘い刺激に身を捩っている。
あ~///堪んね~///
止めたいと見たいの狭間で葛藤する俺の横で、ニノはあっさり答えを出した。
「今夜は、このまま見物させてもらいますか?せっかくの機会だし♪」
マジかよ///