第7章 まだ見ぬ世界へ
【翔side】
4人の8つの目が一斉に俺に向けられた。
俺の言葉を待つ彼らに、俺が用意した答え…
それは…
静まり返った室内に、俺が放った第一声は、
「ごめん…」
「翔さん!」焦る雅紀。
「ごめん、って…」呆然とするニノ。
「嘘でしょ?」立ち上がった智くん。
「…翔さん…」潤がじっと見つめる。
俺は、もう一度言葉を繋いだ。
「ごめん…俺、誰とも付き合えない…ホントに、ごめん」
「どうして!?」
「やっぱ、男はダメだったの?」
「俺のこと好きだって…言ってくれたじゃん!」
「俺たちの他に好きな人がいるの?」
詰め寄られた俺は、もう一度目を閉じてからゆっくり気持ちを吐き出した。
無理やりとはいえ、目の前にいる4人と過ごした日々。
ゲームみたいだって思ってたけど、楽しかったし幸せだった。
だけど、だんだん苦しくなってきて。
誰かを選ばなければいけない…その重圧が俺に圧し掛かって、どうしたらいいのか分からなかった。
なぜって…
みんなのことが同じくらいに好きになってしまったから…選ぶなんてできない…
1人に決めることなんかできない。
それぞれに個性があって、一緒に過ごす時間が楽しくて。
4人が4人とも俺にとって、大切な存在になっていった。
一人に決める、ということは、他の3人とは、もうただの上司と部下になってしまうんだ…
そう思ったら淋しくて…
……選べない…決められない…
だったら……
誰とも付き合わない…
そうするしかないと…そう思ったんだ。
「そんなの!納得できないよ~」
「決められないから、決めないなんて!」
「4人と付き合えばいいじゃん!」
「4人と、って、えっ?」
「えっ??」
智くんの一言に、俺達は固まった。
「簡単じゃん!翔くんは4人と付き合えばいいんだよ!だって元々俺達、身体だけは関係あった訳だし♪」
「ちょっと!」
「翔くんは俺たちの事、順番を付けられないくらいに好き…でしょ?」
「う…うん…」
「なら付き合わないのはおかしいことだよ。好きなら一緒にいたいし、エッチもしたい…
それでいいじゃん。」
「変だけど…変じゃない、かも…」
ニノはじっと考えてる。
「俺はそれでもいい」と潤…
「もちろん、俺も付き合いたい!」雅紀もそう言った…
……4人と付き合う…?
そんなこと、出来るの?