第7章 まだ見ぬ世界へ
【相葉side】
運命の日。
俺はずっと外回りで忙しく、昼飯も食べる時間がなかった。
今日という日が、俺のこれからの人生に大きな起点となる、かもしれない…いや確実にそうだろう…
そんな重要な日…
翔さんはどうしていたのか?
他のライバルたちは?
気にはなっていたけど、それを観察する時間も、考える暇もなかった。
…でも、まあ、それでよかったのかな?
暇で、じ~っくり考えていられたら、俺どうにかなってたかもしれないもん。
大好きな翔さんが、誰か一人に決める。
それは、俺かもしれないし、そうじゃないかもしれない…
俺だったら……
嬉しくって心臓止まるかもしれない!
俺じゃなかったら、悲しくて息ができないかもしれない…
どっちにしても、俺死んじゃうかも…(≧▽≦)
時間ぎりぎりになってしまい、大急ぎで指定された店に飛び込んだら、ニノと松潤が並んで俺を迎えた。
「あ、翔…さんは…?」
「まだ…」
「お疲れ…」
「あ…うん…そっか…まだか…」
なんとも気まずい空気の流れる中、俺はニノの向かいに座った。
店員にビールを頼むと、おしぼりで手と顔を拭いた。
………はあ~…
腕時計を見ると、丁度8時を指していた。
そこへ…
「ごめん、遅くなった!」
翔さんが入り口の戸を開けて登場した。
何度見てもイケメンだな~❤
その後ろから、ひょっこり大野さんも顔を出した。
…一緒だったんだ…
翔さんと一緒に来た大野さんは、いつもと違って少し伏目がちで、元気がない感じだった。
それが、少しだけ俺を浮上させる。
夕べのうちに、大野さんと思いを結び合ったって訳でもないだろうと連想できる。
「俺もビール…智くんは?」
「うん、俺も同じでいい…」
二人が俺の隣に腰を下ろしたけど、ビールが来るまでの時間、なぜか誰も声を出さなくて。
みんながみんな、牽制しあっているというか、様子を伺っているというか。
あああ~///もう、どうしよう!心臓爆発する!!
二人のビールが来て、『お疲れ~』と軽くグラスを上げて飲み始めた。
俺とニノは、今日の出張の話をしていた。その時。
松潤が翔さんに向かって、
「翔さん…聞かせて?翔さんの出した結論」
と言った。
マージーかー///
いきなり切り込みやがって///
息が止まるよ!
俺たちは、翔さんの顔を見つめた。