第6章 Hung up on
【智side】
「あ…あぁっ…」
ずぶりと先っぽをねじ込むと、翔くんの背中がしなやかに反った。
その弓形の曲線がすごくキレイで。
堪らずにその背中に吸い付いた。
「あぁっ…さ、とし…くんっ…」
狭い肉壁を押し広げるように奥を目指しながら、何度も筋肉のついた背中にキスを落とす。
俺がキスした後にはいくつもの赤い所有の証が浮かんで。
今だけは、俺のものだよね…
その朱にひどく満たされた気持ちになりながら、滾るソイツを根元まで翔くんの中に収めた。
「全部、はいったよ…?」
耳元で囁くと、ぶるりと震えた。
「もう…いちいち言わなくていいってば…」
熱い吐息と共に、呟いて。
横目でチラリと睨んでくる。
「もう…スケベ」
「んふふっ、だってスケベだもん♪」
俺はギリギリまで腰を引いて。
思いっきり、突き上げた。
「あぁんっ…」
脳髄まで痺れるような可愛い声が、あがった。
「スケベなの、嫌い?」
ガツガツと力任せに突き上げながら、訊ねると。
「あ、あっ…やっ…」
「ねぇ…スケベな俺、嫌い?」
翔くんは俺に揺さぶられながら、そっと後ろを振り向いてくれる。
その瞳の奥には、ゆらゆらと燃え盛る欲情の赤い焔。
「…いやじゃ、ない…」
「んふ…じゃあ、好き?」
重ねて尋ねると、恥ずかしそうに目を伏せた。
「ねぇ…俺のこと、好き?」
聞かせてよ。
翔くんの、口から。
「俺は、翔くんが大好きだよ。翔くんは?」
聞かせて、お願い。
俺のこと、好きだって言って…?
揺れる瞳に、情けないほど眉の下がった自分が映ってる。
「…俺も…好き、だよ…」
ふっくらとした紅い唇が、その言葉を紡ぐのを、息を詰めて見ていた。
「翔くんっ…」
辛うじて残ってた理性の糸が、プツンと切れる音がして。
気が付いたら、力いっぱい翔くんの腰を掴んで、激しく腰を打ち付けていた。
「あぁっ…はげしっ…」
「翔くんっ…好きっ…」
「ちょっ、と…まっ、て…んあぁっ…」
「ごめんっ…とまんないっ…」
とめることなんて、出来ない。
翔くんの中に、自分の証を刻みつけて。
隅々まで俺のもんにしたいんだ。
こんな暴力的なまでの愛しさ。
翔くん以外に感じたことなんて、ない。
「あぁぁ…さとっ…だめっ…」
翔くんの中が、ぎゅうっと強く締め付けてきた。