第6章 Hung up on
【智side】
シャワーを出しっ放しにした浴室で。
白く煙る湯気の向こうに、翔くんの白い肌が霞んで見える。
「翔くん…」
手を伸ばして呼ぶと、恥ずかしそうに視線を伏せ気味にしながらも、おずおずと近付いてきて。
ぎゅっと俺に抱きついてきてくれた。
嬉しくって、俺も渾身の力で抱きしめ返す。
「ちょっと、苦しいっ…」
「あ、ごめんっ」
「…見かけに似合わず、バカ力だよね…」
「だってぇ、翔くんが可愛いから、力の加減ができないんだもん!」
「…バカ…」
口調とは裏腹に、翔くんの目は俺を誘うように揺れてて。
俺はもうびんびんにいきり立ってるソイツを翔くんに押し付ける。
「ねぇ、いいよね?」
最終確認をすると、真っ赤になって。
「…聞かないでよ、バカ…」
言いながら、答えみたいに自分のを俺のに擦り寄せてくれた。
擦れ合ったそこから、一瞬にして沸騰しそうなほどの熱さが全身に広がる。
「翔くん、大好きだよ…」
顔を近付けると、そっと目蓋を下ろしてくれる。
長い睫毛が、微かに震えてるのがすごく可愛くて。
唇にキスする前に、目蓋に唇を落とした。
「なに…」
開いた唇を、自分ので塞ぐ。
舌を差し込むと、翔くんの方から絡めてきてくれて。
翔くんの唇は、唾液まで甘い気がした。
「なんか、ケーキ食べてるみたい」
「は?なに、それ」
「だって、翔くんすっごく甘いんだもん」
俺は唇を滑らせて首筋を吸い上げる。
「あっ…」
可愛い声が、漏れた。
「ここも、甘い」
胸の先の赤い実にも、キスする。
「ここも…」
上半身、俺の唇が触れてないところがなくいらい、何度もキスをした。
指先までも。
翔くんはその度に小さく震えながら、熱い吐息を漏らした。
「翔くんの体、全部甘い…」
「智、くん…」
俺を見下ろす翔くんの瞳は、欲情の光を放ちながら俺を誘う。
「…お願い…触って…」
俺の手を取って、自分のを握らせた。
ゆっくりと手を動かすと、ぐんと手の中で質量を増す。
「翔くん、気持ちいい…?」
「…うん…気持ち、いい…」
素直に気持ちを口にしてくれる翔くんは、すっごく可愛くて、すっごく綺麗で。
俺は彼の腰を引き寄せて強く抱きしめながら、翔くんのを扱く。
「あぁ…智、くん…いい…」
また甘い吐息を漏らす唇を、塞いだ。