第6章 Hung up on
【翔side】
智くんが、俺の目を覗き込みながら聞く。
『誰に決めたのか?』って。
そんなことサラッと聞いていいの~?
ここで俺が、あなた以外の人を上げたら、この後続けること自体、可笑しくなるでしょ?
そんなことも考えないで、普通の顔して聞いて来るところが、智くんのストレートで飾らない素敵なところ…だけど…
ダメなとこでもあるんだよね~(-ω-)/
俺が仮に『こいつに決めた』と言えば、あなたはきっと
『そうなんだ~』なんて言うかもしれないけど…
「…まだ、決めてないんだ…」
「そっか♪良かった~。俺、松潤に決めた、何て言われたら、どう戦えばいいか悩むところだったよ~(^^;」
……あ、そう(-_-;)聞いてもまだ、戦う気でいたんだ…
ある意味、そのバイタリティー…見習いたいよ。
「よし!そうと決まれば、行こうか!」
「行くって、もう~?」
「だってさ。俺がどんだけこの日を待ってたと思ってるんだよ!?」
「し、知らね~よ、そんなの…」
「待ちくたびれて、危うくキリンになるとこだったよ~♪」
……ここ、笑うとこかな~(゜゜)
とにかく、一つ言えることは。
智くんが俺を抱く気満々で、俺はこの後、当たり前のように、彼に組み敷かれちゃうんだろうな…
ということで…
嫌いじゃないよ~?
好きか嫌いかで言ったら、まあ、好き…だけどさ。
だけど俺、このままでいいのかな~?
智くんで一応一周する訳で。
その後、誰か一人に決めろって、4人に迫られるのかと思うと、今から気が重い訳けど。
みんなと、所謂、夜の営みつ~か…←なんかやらしい…
深い関係になって、誰が一番だなんて、俺決められないよ~///
だって、みんなそれぞれいいし、何よりも。
みんなが真剣に、真っ直ぐに俺への気持ちをぶつけてくれてるから…
俺も真剣にその気持ちを受け止めてから、考えようって。
そう思ったら、みんなの事、好きだな…って。
それじゃダメなの分かってるんだけど…
…どうしよう…
「翔くん!俺ね、この一週間、翔くんに選んでもらえるように、頑張るから!」
「あ、う、うん…」
智くんのキラキラした笑顔に押され気味ではあるけど。
俺の肘を掴んで、ずんずん先を行く智くんに引き摺られながらも、今夜の智くんを想像していた。
今まで見たことのない、雄の顔した、大野智を…