第5章 Shake it !
【潤side】
翔さんのアーモンド形の綺麗な瞳が、ジッと俺を見つめてる。
「あの…」
「黙って…?」
人差し指を唇に当てられて。
思わず口を噤むと、綺麗な笑顔を見せて。
ゆっくりと唇を近付けてきた。
そっと目蓋を下ろすと、ふっと笑う気配がして。
すぐに弾力のある温かい唇が重なった。
だけど、すぐに離れていってしまう。
それが寂しくて目を開くと、超至近距離で楽しそうに俺を見つめてた。
「…なんで笑ってんの?」
「だって潤、超可愛いし❤」
「か、かわいくなんてっ…」
「気付いてないの?さっきのキス待ち顔、めちゃくちゃ可愛かったよ?」
言いながら、ぐいっと肩を押されて。
気が付いたら、翔さんを見上げる形になってた。
い、いきなりっ…?
「だって…俺にくれるんだろ?潤の、バージン♪」
「そっ、それは、その…」
心臓が、壊れそうなくらいバクバク言ってる。
これは緊張なのか、それとも見上げる翔さんが死ぬほどカッコいいからなのか…
…たぶん、どっちもだ。
「潤…緊張してるの?」
翔さんの手が、俺の頬をするりと撫でる。
「ちょ、ちょっと…」
焦らすような緩慢な動きに、背筋が粟立つ。
昨日は、勢いで俺をもらってね!なんて言ったけどさ…
今まで、男を抱いたことはあっても、抱かれたことなんてない。
前に一度大野さんに襲われかけたことがあったけど、その時は体格差を利用してひっくり返して、事なきを得たし。
今でも、ホントは怖い…
だってあんなとこに、あんなもんいれるんだぜ!?
…まぁ、俺もいれてるんだけど。
「大丈夫…優しくするから❤」
ビビって体を硬くする俺を宥めるように、何度も翔さんが頬を撫でてくれる。
「潤の全部、俺にくれるだろ?」
昨日とはうって変わって、俺を見下ろす翔さんからは男の色気がダダ漏れてきてて。
胸の奥がきゅうっと音を立てた。
…翔さんになら…
俺…
俺は、小さく頷く。
「ありがとう、潤❤」
本当に嬉しそうに微笑んだ翔さんの体が、ゆっくり傾いてくる。
俺は、再び目を閉じて。
少しだけ、唇を開いた。
「だから…その顔、ヤバいって…」
熱い吐息が、すぐ傍で感じられて。
しっとりと唇が重なった。
今度は直ぐさま、舌が入って来て。
くちゅり、といやらしい音が、響いた。