第29章 それぞれ
「ちょい、いい?」
「なぁに、秋紀」
彼女の部屋で彼女と隣り合わせに座りながら、問いかけてみた。
「実はさ、今度高校の時のヤツらで集まろうって話があるのよ」
「おお、いいじゃん。」
スマホをいじりながらの返答。
まだ、返事は適当。
「まぁ、大人数って訳じゃないんだけど。お前が知ってるのだと、木兎とかそういう系の人達。」
「うるさい系ってこと?(笑)」
たしかにうるさい系だけど、そうじゃねぇよ(笑)
「そんで、木葉も彼女いるならお前ぼっちになるから呼んだ方がいいんじゃね?って言われたんよ。…言いたいこと、わかる?」
「あぁ、そゆこと。」
「そういうこと。だから、もしお前が嫌じゃなかったら、一緒に行かない?」
いいって、言ってくれるか?
無理には連れていきたいとは思わねぇけど。
「みんながいいって言ってくれてるなら行きたいなぁ。楽しそうだし」
「みんな来てほしそうだよ?でも、一つ言いたいことがあって」
できるだけ真剣な顔で言ってみる。
「実はな、────」
「え、まじ?」
「だから、もっかい考えてみて。」
「うん」
無理に合わせる訳には、行かねぇし。