第27章 甘くて苦い。
「コウタロウ、ちょっと待って、…突然すぎる」
「ゴメン。」
さっきまではやめてって言ってもやめないとか言ってたのに、待ってって言ったら、ちゃんとやめてくれるんだね。
「私から誘っておいて、あれなんだけど…1つ、お願いがあって…」
「ん?」
私が話しやすいように、優しい声音で聞き返してくれる。…普段は騒がしくて子供っぽい人だけど、やっぱり人のことをちゃんと気にかけてくれて、優しくて頼りになる。
「私のことは考えないで、コウタロウのヤりたいようにやってね。」
「それだけ?」
私はコウタロウの言葉に深く頷くと、コウタロウは二カリと笑って、私に言った。
「じゃあ、俺からの頼み。嫌だったら嫌って言って。キモチ良かったら、キモチいって言って。全部、声に出して。声、我慢しないで」
そんなことでいいのか、と思った。
正直、コウタロウは結構いろんな女性に手を出しているから、結構マニアックな注文とかされるかなーとか心構えしてたけど、やっぱり、ただただ優しい人。
「あれ、コウタロウ。嫌って言ってもやめてくれないんでしょ?」
「あぁ、そうだったな」
そう言ってコウタロウは優しく微笑んだ。