第26章 久しぶりの。
「綾菜にはポテトサラダを作ってもらおうと思う。俺が教えるし、結構簡単だと思うから頑張ってな」
「頑張る」
…ポテトサラダって簡単なの?あんな美味しいのに?簡単に作れちゃうの?なんて考えていると、クロは私にジャガイモを渡しながら言う。
「つーことで、綾菜これ洗ってから茹でてくれる?」
「うん、わかった。」
クロに渡してもらったジャガイモをよーく水で洗って、鍋にジャガイモがかぶるくらいの水を注ぐと、火にかけた。
すると、私にはひとつの疑問が頭に浮かぶ。
「クロ、これ皮付きのままでよかったの?」
「うん、その方が旨みが逃げないらしい。…あ、火は中火な」
クロは私に教えてくれながらも、しっかりと手元は動いていた。
クロは器用だな…。とか思いながら、私はジャガイモが茹でられている姿をボーッと見つめていた。