第26章 久しぶりの。
クロと光太郎と一緒に私の家へ向かった。
「お邪魔します。」
クロは冬休みの最後に泊まりに来てくれるそうだ。
「今日、母さんも父さんもいないから、緊張しなくていいかんなー」
「おう。」
クロは光太郎の言葉に一言で返すと、私の顔と光太郎の顔を交互に見て言った。
「晩飯は大丈夫か?」
大丈夫…じゃないな。
でも、またクロに作ってもらうわけには行かないし…。
「綾菜、俺と料理練習してみる?」
「いいんですか?」
…でも、私、本当に手先が器用ではない。…クロに引かれないかな?…大丈夫かな?
私は心配になり、返答に困っていると、クロは優しく微笑みながら私に行った。
「俺が教えるから、教えて貰いたかったらそう言って。余計なこととか考える必要ねぇぞ?」
「教えて貰いたい。…お願いします」
「素直でよろしい!」
そう言ってクロはニッと笑いながら、優しい手つきで私の頭を撫でてくれた。
この笑顔が、ギャップ萌えで好きだったりする。…のは、私だけの秘密。