第25章 恋バナ
エマとは体の相性が良くて、俺の中では続いた方だと思った。
だって、4ヶ月だよ?
この時の俺とか、1ヶ月続けばいい方だったし。
だけど、俺は出会ってしまった。
"木兎綾菜"という女に。
最初はただの"興味"だった。
だけど、だんだんそれは"好き"に変わっていく。
自分では、好きなわけないって、ただの興味だって言い聞かせてたけど、自分の気持ちに嘘はつき続けられない。
だから、誰も来るはずのない視聴覚室にエマを呼んで、俺が初めて別れを切り出そうとした。
「もう、別れよう。俺、好きなやつ出来たから。」
この言葉に、嘘なんてない。
「ね、別れてもいいからさ、最後にエッチしよ?
もちろん、テツロウの好きなようにしていいよ?痛くても、我慢するから。」
ハァ…こいつもめんどくさい女、か。
こいつならわかってくれると思ってたんだけどな。
やっぱりこいつもほかの女と一緒、か。
「だから、お前がその程度なら別れよ。
俺も別に、本気でエマを好きになったこと、ねぇし。」
ドアの前に人影が見えたけど、俺は気にせずに言い放った。
…まさか、ドアの前にいる人物が綾菜だとは思わずに。