第24章 安心、好き、恋
私たちが特に意味の無い会話をしていると、注文した品が運ばれてきた。
ちなみに、エマさんはアイスティーをおかわり。私はもものシフォンケーキにホットココアを。クロは、水があればいいようで、何も頼んでいなかった。
「綾菜ちゃんはさ、なんか聞きたいこととかないの?」
聞きたいこと…か。
「特にないです」
とは言ったものの、付き合っていた理由とか、別れた理由とか聞きてみたい。…こんなこと言ったら迷惑だし、そもそも、自分の昔の恋愛のことをいちいち聞きたがる彼女なんかめんどくさいだろう。
「付き合ってた頃の話とか、聞きたくねぇの?別れ現場まで見といて」
「聞きたくないわけではない。むしろ、気にってる」
「教えてあげよっか?…ね、テツロウ。綾菜ちゃんに教えてあげよう。」
「彼氏の昔の恋の話なんざ、…ましてやその元カノと一緒に話されても、綾菜が困るだろ」
「私は困らない。黙って聞いてるよ?」
教えて貰えるのなら、教えてもらうに限る。
正直、別れる時にあんなだったのが、今はなんでこんなに仲がいいのか、純粋にものすごく聞きたいと思ってるし。