第24章 安心、好き、恋
「クロ、ありがとう」
「礼を言われるようなことはしてねぇよ。」
クロは私の為を思ってだろう、改札を抜けると学校へ向かう訳ではなく、駅前の小さな公園に向かった。
そして、二人並んでベンチに座ってる状況なんだけど、すごく空気が重い。
別に、普段と変わらないはずなんだけどな。
そんな時、その空気を破ったのはクロ。
「綾菜、話したいことがある。…いい?」
別れ話、かな?
それなら、しっかり聞いておかないと。
「うん、いいよ」
大丈夫。表情は乏しい方だから、泣かない限りはバレない。…はず。
「綾菜はさ、俺のことはもう過去にしてるかもしれないけど、俺、綾菜がいないとダメだわ。」
別れ話かと思ったら、まさかのそっちね。
…少し、安心した。
「綾菜は、どうだった?俺がいないあいだ。ちゃんと、風呂入れた?」
「お風呂は入れた。…でも、クロがそばにいてくれないのは、やっぱり辛い。…私から突き放したのに、本当にごめんなさい。」
でも、クロは私のことを嫌いになってなくて、良かった。