第24章 安心、好き、恋
久しぶりに真っ赤なジャージのズボンを履き、トレーナを着るとその上から学校指定のジャージを羽織った。
今日は寒いし、カイロでも持って行こうかな。
ものすごく久しぶりで、正直1日持つか心配だけど、まぁ、きっと、なんとかなるだろう。
…みたいな気持ちで学校へと向かう。
駅のホームで、電車を待っていると、突然肩をポンポンと叩かれた。
私は言葉を発する前に後ろを振り向くと、そこには見たことあるような、ないような顔があった。
「やっぱりあのコだ。…あ、覚えてないでしょ?私は、テツロウのカノジョだった…エマだよ。まぁ、名前言っても分からないだろうけどね」
あ、…あの、視聴覚室でクロとわちゃわちゃしていた方だ。
思い出せてよかった。
「覚えてます。」
「とりあえず、友達、なろうよ?」
そう言ってエマさんが取り出したのは、スマートフォン。
友達って、そっちのね。
私も同じように自分のスマートフォンを取り出すと、画面の中を覗かれる。
「あら、テツロウとのツーショットじゃないの。なぁんだ、つまらないの。…もしかして、壁紙初期から変えてないの?」
「そうですけど。」
いや、何勝手に覗いてんだよ。…とか思ったけど、別に変なものを見られた訳では無いから、その話題に触れるのは、一瞬で終わらせた。