第22章 信頼
「少し休憩するか?」
「うん、ありがとう…。」
クロと歩いた時間はまだ30分。…なんだけど、久々に体を動かすと、校庭5週を全力疾走で走ったあと並みに疲れる。
「綾菜、先にあっちのベンチ座ってて。俺、自販行ってからそっち行くから。」
「わかった、先行ってるね」
クロの言葉に簡単に返事をすると、クロとは逆方向に歩き始めた。
ここの公園来るの、なにげに初めてだな。
でも、ものすごく明るい。
子供同士で鬼ごっこをしたり、2歳ぐらいの小さな子がよちよち歩きで公園を歩いていたり。
そんな時、とつぜん頬に温かいものが当たった。
「あ…」
いや、温かいと言うよりも、熱い。
「ハイ、ココア」
「ありがとう」
私の頬に当たっていたのは、缶のココアだったようだ。
「あれ?怒らねぇの?」
「怒らないよ。怒られたかったの?」
「…いや、そういう訳ではねぇけど…。」
じゃあ、どういう訳だ?
…まぁ、いいけど。